【特集】いちご・呼吸・アートでマインドフルネス!?

更新日

【特集】いちご・呼吸・アートでマインドフルネス!?

【放送】
あいマイ 「あいつ、マインドフルネスはじめるってよ」#あいマイ01

3月31日(金)午後11:15~11:45(総合)
番組HPはこちら

新年度、《マインドフルネス》をはじめてみませんか?――興味はあるけど、なんだかよく分からない《マインドフルネス》!?でも、ちょっとした訓練法で日常でも始めることができます。そのきっかけを紹介する番組「あいつ、マインドフルネスはじめるってよ」略して「あいマイ」では医療現場でも活用されている「マインドフルネス・ストレス低減法」や、そこからさらに発展を遂げた「マインドフルネス認知療法」の手法を元に、日常生活に応用できる範囲での《マインドフルネス》を紹介しました。

※うつ病の治療として検討されている場合は、専門医にご相談ください。

日常にマインドフルネスを!とは
マインドフルネスは「ありのままに気づく」ことを大切にしています。「あいマイ」では≪自分の固定観念を見つめ直す≫、無意識で行っている動作を、細かく見つめ直すことをきっかけの1つにしています。

日常に《マインドフルネス》を!「いちごマインドフルネス」実践法

「いちごマインドフルネス」実践法

「食べる」というふだん何も考えずに行ってきた単純な行為をあえて分解してとらえて、さまざまな感覚に気づくことができるマインドフルネスです。

▼手順▼

  1. イチゴを食べずに、「見る」「触れる」「嗅ぐ」「聴く」の順番で、イチゴの存在を感じてください。
    【ポイント!】
    イチゴを「初めて出会ったモノ」として新鮮な気持ちで向き合います。
  2. さまざまな感覚を十分に意識できたら、イチゴを口に入れ、1で得た感覚をそのままにゆっくり食べてください。
    【ポイント!】
    口の中でイチゴを転がした感覚や、ゆっくり噛んだ時の果汁などを感じます。
  3. イチゴを食べることで起きる、自分の体の変化(唾液が出る・食道をイチゴが通る など)を感じ取ってください。すると、「味」だけではなく、「食べる」という行為そのものがもつ豊かさを実感できます。

※番組ではイチゴで行いましたが、他の食べ物でも行うことができます。

日常に《マインドフルネス》を!「呼吸マインドフルネス」実践法

「呼吸マインドフルネス」実践法

仕事中のちょっとした気分転換にもオススメ。「呼吸」に注意を向けることで、雑念にとらわれず今・この瞬間の現実をありのままに知覚することができます。

▼手順▼

  1. 肩の力を抜き、背筋を伸ばし、すこしだけ腰を反らすようにして座ってください。地べたであぐらをかいた姿勢でも、椅子に座った姿勢でも、どちらでも構いません。
  2. まずは、呼吸していることを感じやすい「体のなかのひとつの部位(お腹、鼻の内部など)」を意識してください。息を吸うとお腹が膨らみ、息を吐くとお腹が縮む…など。
  3. ひとつの部位をきっかけに呼吸を意識することができたら、呼吸に合わせて動いている「他の部位」にも注意を向けます。雑念が浮かんでしまった場合は、無理にそれを追い払おうとせず、ゆっくりと呼吸に意識を戻します。続けると、焦りや不安で頭がいっぱいのときも、するべきことが見定めやすくなります。

※最低3分間は行うようにしてください。

日常に《マインドフルネス》を!「アート・マインドフルネス」実践法

「アート・マインドフルネス」実践法

人間は、目からの情報だけではなく、経験や思考を重ねることで世界を認知しています。が、アート・マインドフルネスではあえて「目からの情報」だけで世界をとらえます。そうすることで、すこしでも客観的に物事を観察できるようにします。

▼手順▼

  1. なるべく広々とした空間で行います。
  2. 目の前に広がる世界を、「色」と「形」だけでとらえます。例えば「木製の机」であれば「ベージュの台形」というように、固有名や用途をあえて排除して、まるで平面的な絵画に置き換えるかのように、ただのカラフルな図形のまとまりとしてとらえ直してみます。
  3. もし、目の前に見えているものの《意味》を考えてしまったら、再びただの「色」と「形」のまとまりとして見るように心がけます。すると、見えているものに対する印象や感情は、じつは自分が経験に重ね合わせ思考することで自らつくり上げていたものだったことに気づけます。

日常に《マインドフルネス》を!「歩くマインドフルネス」実践法

「歩くマインドフルネス」実践法

ふだんは歩きながらさまざまなことを考えていますが、じつは一瞬ごとに異なる感覚が押し寄せてくる、そんな歩く行為そのものを丁寧にとらえ直すことで、今・この瞬間の感覚の豊かさに気づくことができます。

▼手順▼

  1. いきなり歩き出すのではなく、まず「歩き始める前の体」を意識します。ただ立っていること、そのときの姿勢、全体重を支える足裏の感覚、歩く前の気持ち…などをじっくり観察してみましょう。
  2. 「一歩一歩を踏み出す身体」を意識して、ゆっくり歩きます。じつは人間は、常にバランスを崩しながら歩いています。上半身を前に傾け、バランスを崩す手前でようやく一歩踏み出してみると、一歩一歩の動作をより丁寧に感じ取ることができます。
  3. そして、大地との接点である「足の裏」を意識しながら歩きます。そのときの全体重、肌に触れる空気、自分を支える地球という存在まで意識して歩くことで、歩くこと自体の豊かさに気づけます。

「歩くマインドフルネス」実践法

【監修・指導】
小室弘毅 准教授(関西大学 人間健康学部)

関連記事