【Q&A】脂質異常症と診断 薬「スタチン」は糖尿病のリスクを高める?

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脂質異常症と診断されました。悪玉コレステロールが非常に高く、スタチンの服用を勧められましたが、糖尿病を発症するリスクが上がると聞きました。心筋梗塞や脳梗塞のリスクは下がっても将来、糖尿病の合併症に悩まされるのではないかと葛藤があります。体重が増えないように気をつければ、スタチンによる糖尿病のリスクは抑えられますか?
(50代 男性)

専門家による回答

結論からいうと、スタチンの服用を勧めます。スタチンは脂質異常症の第一選択薬で、動脈硬化を予防するために非常に有効な薬のひとつです。たしかに、海外のスタチンを用いた大規模な研究で、スタチン治療により糖尿病の発症のリスクがおよそ10%増加するという報告があります。しかし内容をよくみると、255人の患者を4年間スタチンで治療すると、1人の糖尿病患者が増えるが、同時に5.4人の心血管疾患が予防できるという結果です。これは利益のほうが大きいと判断できます。

また、いきなり糖尿病合併症になることはないですし、脂質の血液検査と同時に糖尿病の検査も定期的におこなわれます。もしも糖尿病の兆候があれば、その時点で主治医と相談しながら、治療方針を決めてみてください。

スタチン服用で糖尿病のリスクは上がる?


(2022年9月5日(月)~8日(木)放送関連)

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