【Q&A】メルカゾールの副作用やバセドウ病から橋本病になる可能性について

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40代前半にバセドウ病と診断され、メルカゾールという薬を15年以上服用していますが、副作用がないならこのままのみ続けていいのでしょうか?
また、筋力低下や疲れやすいなど橋本病の症状に近いものもあるのですが、バセドウ病から橋本病になってしまうということはないのでしょうか?(50代 女性)

専門家による回答

メルカゾールの副作用の好発時期は内服開始2週間後から2、3か月後までです。この期間に副作用がなく、内服が定期的にできている場合は、長期間の服用で副作用を生じる心配はほとんどありません。内服薬で甲状腺機能が安定していれば、内服継続は可能でしょう。

ただし、再発を何度も起こされている、甲状腺の腫れが大きいという場合は、内服でしばらく甲状腺機能がよくても、その後不安定になってしまう場合があり、より再発や悪化がおこりにくい手術や放射性ヨウ素内用療法(アイソトープ治療)へ変更して、病気を安定させておくこともすすめられます。

甲状腺機能が正常であれば、筋力低下や疲れやすさは、甲状腺が原因とは考えにくいでしょう。 不思議なことにバセドウ病が安定したあとに甲状腺機能低下にかわることがあります。逆に橋本病であった方が、将来バセドウ病になることもあります。異なる病気ですが、自己免疫性甲状腺疾患という仲間に含まれていて甲状腺機能や病態が互いに変化することがあり、定期的に経過をみております。

(2021年6月16日(水)放送関連)