【Q&A】ハイドレアを開始するタイミングはいつ?

更新日

私は慢性好中球性白血病と診断されて1年になります。2か月おきに血液検査データを取っていますが、現状、完治する薬はないので、血液検査で他の部位にがんの傾向が出ていないか経過観察を続け、投薬や処置はしていません。
担当医師は、ハイドレアを投薬しても白血球の数を一時的に減らすのみなので、使わないとのことです。先生は、白血球がどれくらいになれば、ハイドレアを使いますか?ハイドレアしか方法はありませんか?慢性好中球性白血病の場合、慢性期・移行期・急性期の症状や年数は、慢性白血病と同じでしょうか?(66歳 女性)

専門家による回答

慢性好中球性白血病は、血液検査で好中球数25,000/μL以上が持続し、特殊な遺伝子異常(CSF3R)を認める病気です。慢性骨髄性白血病と同じように急性期に進行しますが、進行する年数は慢性骨髄性白血病よりやや早いようです。白血球数が50,000/μL以上になると進行が早くなるとの報告もあります。私なら、治療としてまず造血細胞移植を考慮します。
年齢(お元気な方なら70歳まで可能と考えます)や持病により造血細胞移植ができない場合は、ハイドレアを使います。ハイドレアを開始するタイミングは定かなものはありません。患者さんと相談しながら35,000/μL前後で投与の開始を検討すると思います。また患者さんの一部には、ルキソリチニブ(ジャカビ)の効果が期待されるようですが、日本では保険診療として治療することは認められていません。

(2021年1月11日(月)~14日(木)放送関連)