【動画でわかる認知症】進行をゆるやかにさせる認知症の治療薬

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動画でわかる認知症認知症

※この映像はNHK認知症キャンペーンの一環として2015年から2016年に放送された番組です。

マスター:ようこそいらっしゃいました。認知症カフェ『どーも』です。認知症を正しく知って治療、介護、予防をどうすれば良いのか、このカフェから発信してまいります。

グッチ:マスター知ってますか?

マスター:え?

グッチ:65歳以上の高齢者の450万人は、認知症の患者さんなんですって。

マスター:結構多いですね。

グッチ:多いですよね 。

マスター:今日ね、ちょうど認知症の検査と治療が専門の、浦上克哉さんいらっしゃってます。

浦上:こんにちはー。

グッチ:こんにちはー、よろしくお願いします。

浦上:よろしくお願いいたします。
まだまだ増えていくんですね。団塊の世代の方が全て75歳以上になる10年後には、認知症の方は700万人にもなるという予測が出されております。
また、高齢者の5人に1人が、言い換えれば認知症になるということでして...

認知症の治療薬

マスター:なんか、治療法みたいなのってあるんですか?

浦上:はい、治療法はいろいろありまして、いろんな治療があるんですけども、やはり治療の中心は薬物療法になります。

グッチ:薬があるんですか?

浦上:はい。今日は少し持ってきましたので、ご覧いただけたらと思います。

マスター:効果ってのは結構あるんですか?

浦上:そうですね、残念ながらまだ根本的にですね、一度失われてしまった能力を取り戻すだけの能力はないんですけども、一年間ぐらいであったり、改善期間をもたらすことができます。またそれ以降にしても、のまなかった場合よりはあきらかに進行をゆるやかにさせる効果があります。

こちら側のお薬なんですけど、どちらかというと意欲を向上させ、やる気を出していただくようなことに効果がありますし、こちらのお薬はどちらかというと、気持ちを穏やかにさせる効果もあります。両者をうまく併用してあげることによって、さらに単独で使う場合よりも効果があるということもございます。

認知症の治療薬

認知症の薬は他にも貼り薬のタイプや、のみやすいようにゼリー状にしたものがあります。
また、認知症の治療には脳の血管を守る薬も使われています。
※2021年10月現在使われている認知症の薬は、ガランタミン、リバスチグミンを含めた4剤です。

マスター:薬というと副作用っていうのはどうなんですか?

浦上:私が使わせていただいてる経験から言うと、極めて頻度が低いものです。ただ、お薬ですからやはり症状というのもありまして、消化器系の症状ですね。
少し下痢気味になったり、少し吐き気がしたり便秘をしたり、あるいは頭痛めまい、あるいは興奮を少しされるような方といったようなこともございます。

浦上先生

グッチ:知り合いの方が、のんで、怒りっぽくなったという話を聞いたことがあるんですけども。

浦上:すぐ副作用だという風に思われている場合が多いんですけども、実際にはそれはお薬が効いて、家族が言うことがわかるようになったために、そういった症状が起こるということが出てくる。
というのが結構、家族の方から見ると、ついもの忘れを何回もしておられますから、きつい言葉をかけてることが少なからずあるんですね。
ですからきつい言葉をかけられたら、どうしたって本来なら怒って反応するのが当然なんですけども、治療始める前は、そういうことに対して怒る元気もなかったと。

浦上先生

グッチ:そうかぁ...

浦上:ですから、私から言わせれば副作用ではなくて、主作用として当然反応すべき症状が出ているんだと。それからあと稀にですけども、間違って薬をのみすぎたりして、そのために興奮したり怒ったりという場合もございます。
私が是非、皆さんに知っていただきたいことはですね、薬の効果というものも、先程お話ししましたように、一歩も違えれば副作用だと思われてしまうようなこともあります。正しく薬の効果を理解していただくことが、服薬を中止せずに続けていただけるために重要なのではないかと思っています。

マスター:単純に考えないほうがいいということですね。

浦上:そうですね。何か気になる変化がありましたら、是非、医師に相談してより良い治療をしていただけたらという風に思います。