痛み止め(鎮痛薬)の使い過ぎ・乱用は頭痛のもと 正しい薬ののみ方とは

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使いすぎに注意!「痛み止め(鎮痛薬)」

頭痛や生理痛などで使われている痛み止め(鎮痛薬)は若い世代にも多く使用されていますが、使用法の誤解も多い薬の1つです。そこで番組では、16歳から22歳の女性5人に集まってもらい、身近に使われている痛み止め(鎮痛薬)の使い方について聞いてみました。すると、「生理痛がひどいと薬の量を増やしたり、時間を空けずにのんだりしてしまう」という声がありました。

小嶋菜月、はるこな

用法用量を超えてのむと...

効果がないと思って決められた量や回数よりも多く使ってしまうといったことはついやりがちなのかしれません。しかし、副作用が出るリスクを高めるだけでなく、エスカレートしてしまい、体に様々な異変が起きるようになってしまいます。

小嶋菜月、はるこな

具体的には、用法用量を守らずに痛み止め(鎮痛薬)を使いすぎると、「胃腸障害」、「腎障害」、「頭痛」などが起きることがあります。市販の痛み止め(鎮痛薬)の多くは「NSAIDs(エヌセイズ)」と呼ばれる成分が含まれています。NSAIDsは頭痛や生理痛など様々な炎症や痛みの原因になる物質である「プロスタグランジン」が作られるのを抑えて効き目をあらわします。

その一方で、「プロスタグランジン」には胃の粘膜を保護する役目を持つものもあって、それも作られなくなるため胃腸障害が起きてしまいます。また、「プロスタグランジン」は腎臓にも作用していますが、NSAIDsによってプロスタグランジンが減ってしまうと、血流が低下し、尿が減少することで腎障害が起きる可能性もあります。

鎮痛薬ののみ過ぎ

小嶋菜月

また、痛み止め(鎮痛薬)をのんで、かえって頭痛が起きてしまうことがあります。
薬の使いすぎによる頭痛」と言われていますが、1か月に10日以上頭痛薬を使い続けている状態が3か月以上を超えると、薬の使いすぎによるリスクが高まるといわれています。使用しているうちに痛みに対して神経が敏感になり、弱い痛みでも強い痛みとして感じてしまうようになってしまうのです。

小嶋菜月

痛み止め(鎮痛薬)は「用法用量を守って月に10日まで!」と覚えてください。また、市販薬をのんでも効果がない場合は、生活習慣を見直す必要や、別の病気の場合もあるので注意が必要です。

小嶋菜月、はるこな

正しい薬の のみ方は?

薬を用法用量通りにのむことも大切ですが、「のみ方の基本」を抑えておくことも重要です!
次のクイズで基本を抑えておきましょう!

正しい薬の のみかた

正しい薬ののみ方は?
Q1:薬はコップ1杯の水でのむ
Q2:錠剤は砕いてのむと効き目が早い
Q3:「食後」に服用の薬は食後30分以上たってのむ

答えは、1問目が○、2問目以降は×です。

小嶋菜月

Q1:水なしや少量の水でのむ方もいますが、カプセルや錠剤がのどや食道に貼り付いて、その部分の粘膜を傷めてしまうことがあるため危険!また、水の量が少ないと薬が十分溶けないため吸収率が下がってしまう場合があるので、効果をきちんと発揮するためにはコップ1杯程度の水(200cc)が必要です!

Q2:薬の外側は砂糖やセルロースなどでコーティングされていたり、薬が腸で溶け出すようにできていたりと、薬の効果が適切に発揮できるように工夫されています。薬を砕くとこのような工夫が台無し。効き目の出方が変わってしまうので、錠剤を噛み砕いてはいけません。

Q3:「食後」と指示されている薬は、胃に食物がある状態でのむ薬なので、「食後30分以内」にのむことが基本です。

頭痛のQ&A

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詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年8月 号に掲載されています。

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