「料理をしていたら指を切った!」など、切り傷は誰にでも起こりうる身近なトラブル。そんな時の正しい応急処置をご存じですか?実は、かつての常識とされていた対処法は現在ではおすすめできません。最新の対処法をご紹介します!
切り傷 以前の常識ではダメ!
①傷をぬらさないようにする ×
→水道水か生理食塩水で十分に洗い流す ○
以前は傷を水にぬらすと傷に細菌が入って悪化すると考えられていましたが、現在では傷口についた細菌を洗い流すことが大切であるとされています。
洗う際は、水かぬるま湯、または生理食塩水を使用してください。
【生理食塩水の作り方】
- 500CCの水に塩小さじ一杯
- 傷に痛みや炎症が起こり感染している場合には、消毒液を使用してください。
②止血は指の根元を輪ゴムでしばる ×
→清潔なガーゼや布でしっかり傷口をおさえる ○
指の根元を輪ゴムでしばるとうっ血し、神経を痛める可能性があるので避けてください。
止血する際は、傷口を清潔なガーゼや布で傷口おさえて、10分程度を目安に圧迫します。
途中で圧迫を止めると、血が止まりにくくなるので、おさえたままで待ちましょう。
自分以外の止血をする際は、肝炎などウイルス感染のリスクがありますので、血液に直接触れないよう手袋をして処置してください。
③ばんそうこうは2~3日したらはがして乾燥させる ×
→適度に湿度を保つ ○
傷は乾燥させないで、適度に湿度を保った状態の方が早くきれいに治ります。
ただし、湿らせておけばいいからといって食品用のラップを使用するのはNGです。ラップの下で菌が繁殖し、命にかかわることもあるからです。
【ハイドロコロイドばんそうこう】
皮膚の代わりをし、傷の治りを早くする浸出液をとどめてくれる効果があります。
2~3日に1回を目安に交換してください。
医療機関にいくべき?判断ポイント
自分で何とかするか、受診するか、救急車を呼ぶか、悩むことがありますよね。
以下の場合には受診を検討してください。
①傷が深くて大きい
②心筋梗塞や脳梗塞などの持病がある
③勢いよく血が出る
④汚いものでけがをした
①傷が深くて大きい
傷口から脂肪が見えるほどの深さは縫った方が早く治る場合があるので受診を。
②心筋梗塞や脳梗塞などの持病がある
抗凝固薬など血液をサラサラする薬を服用していると血が止まりにくい可能性があります。
③勢いよく血が出る
心臓の拍動とともに出血する場合、勢いよく血が出ます。
動脈が切れている可能性がありますので受診を。
④汚いものでけがをした
細菌感染のリスクがあります。命にかかわることもあります。
むやみに家庭で処置を続けず、受診を検討しましょう。
痛みが強い場合は?
患部を冷やしたり、痛み止めをのむことで痛みを抑えることができます。