つらい慢性の腰痛が消える!? タイプ別のエクササイズとは?

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長引く腰痛のタイプを知ろう

つらい痛みが長引く慢性の腰痛を解消するには、少しでも体を動かすことが不可欠です。実際、運動療法を行うだけで、悩んでいた腰痛がなくなった、という患者さんを何人も見てきました。そのためには、まず自分の腰痛がどんなタイプか知る必要があります。

長引く腰痛のタイプ

腰痛には、主に4つのタイプがあります。筋肉性タイプ、椎間板タイプ、椎間関節タイプ、そして仙腸関節タイプです。そして、自分の腰痛のタイプを知るために行うのが、疼痛(とうつう)誘発テストです。どんな姿勢で痛みが出るかを確かめます。

疼痛(とうつう)誘発テスト

まず、前屈をして痛みが出る場合は、主に椎間板ヘルニアが疑われる、椎間板に問題があるタイプです。
そして、後ろに反った時に痛みが出る場合。脊椎の後ろにある椎間関節に問題があるタイプは、体を左右に傾けても痛みが出ることがあります。
しかし、筋肉や仙腸関節に問題があるタイプは、前屈と後屈のどちらにも痛みが出る場合があるので、このテストだけで特定することは難しいことになります。そこで、痛みが出る場所で判断する圧痛テストを行います。

圧痛テスト

背骨の上を押して痛むのが、椎間板あるいは椎間関節タイプ。背骨から指2本分くらい外側を押したときに痛むのが筋肉性タイプ。そしてベルトより下、お尻の上部の骨盤付近が痛む場合は仙腸関節タイプです。2つのテストを組み合わせて、自分の腰痛のタイプを知りましょう。
この4つのタイプに合わせたエクササイズを行うと良いわけですが、この運動療法は外側の筋肉ではなく、体の奥深くにあるインナーマッスルを上手に使えるようにすることが目的です。腰痛に悩まされている人は、その多くが長年の体の動かし方のクセで外側の筋肉ばかりを使って体を動かすようになってしまっていて、インナーマッスルが衰え、外側の筋肉や関節に負担が増えて痛みが出てしまっているのです。

慢性の腰痛が消える!?タイプ別のエクササイズ

筋肉タイプ編のエクササイズはこちら
椎間板タイプ編のエクササイズはこちら

椎間関節タイプ編

椎間関節タイプにおすすめのエクササイズ、スフィンクスのポーズです。筋肉性や仙腸関節タイプで、腰を後ろに反らせると痛む人にも有効です。
長年腰痛に悩む人は、たくさんある背骨のうち、一部だけを使って体を前後に折り曲げている人が多いのです。ですから、その一部の関節に負担がかかり、椎間板や関節が痛みやすく、骨の変形も起きやすい状態になっています。このエクササイズでは、腰から首にかけての背骨をなめらかに使えるようにするものです。

うつ伏せに寝る

まずうつ伏せに寝てください。そして、ひじを曲げて、手を顔の横に置きます。足は肩幅に開きましょう。軽くおなかを引っ込めてから、腕に力を入れて、体を起こしていきます。
まず軽く顎を引いてから、顔、首、胸の順に起こしていきます。ひとつずつ、背骨を動かしていくイメージです。ただし反らすのは胸まで。腰は反らさないでください。

スフィンクスのポーズ

ポーズが完成したら、10秒間キープします。

仙腸関節タイプ編

このタイプは女性に多く、出産などで骨盤が動いた人に多いです。しびれを伴うこともあるので、椎間板ヘルニアや脊柱管狭さく症と間違われることがあります。診断を受けて治療しているのに、一向に改善しないという人は、この仙腸関節を疑ってみた方が良いかもしれません。仙腸関節タイプに適したエクササイズは脚上げドローインと呼ばれます。

仰向けに寝て足を肩幅に開き、ひざを直角に立てる

仰向けに寝て、脚を肩幅に開いて、ひざを直角に立てます。おなかに軽く力を入れて、ゆっくりと片脚を上げます。まっすぐ伸ばして上げましょう。

脚を上げてキープする

脚が上がる時には、おなかの外側の筋肉にも力が入ります。ドローインでおなかの中にあるインナーマッスルを使ってから脚を動かして外側の筋肉を使う。筋肉を使う順番の感覚を体に覚えさせる運動です。
そのまま10秒間キープできたら、今度は伸ばした足を開いていきます。

伸ばした脚を開いてキープする

骨盤が動かないよう注意しましょう。10秒間キープしたら、もう片方の脚でも行います。両脚2回ずつで1セット。1日2セットを行います。

腰痛に関するご質問

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詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2023年2月 号に掲載されています。

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