黄疸に注意!胆のうがん・胆管がんの見分け方、症状や進行について

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胆のう・胆管がんやせてきた体がだるい吐き気胆のう・胆管

胆のう・胆管とは

胆のう・胆管とは

胆のうは、なすのような形をした臓器で、肝臓・十二指腸と胆管でつながっています。肝臓で作られた胆汁は、胆のうでいったんためられて濃縮されます。食べ物が十二指腸に送られると、胆汁が胆管を通して十二指腸に送り出されます。
胆のうは、内側から、粘膜層、固有筋層、漿膜(しょうまく)下層、漿膜と呼ばれる4つの層からできていて、内部は空洞です。胆管は、長さ約15センチ、太さ約1センチの管で、肝臓と十二指腸を結び、胆汁の通り道になっています。

胆のうがん、胆管がんとは

胆のうがん、胆管がんとは
胆のうがん、胆管がんとは

胆のうや胆管にできるがんの発生数は、肺がんや大腸がんなどに比べると少ないものの、がんによる死亡原因では第6位です。胆のうがんや胆管がんは早期の治療や診断が困難ながんと考えられます。胆のうがんでは、早期の症状が現れにくく、症状が現れたときには進行していることが多い傾向にあります。また、胆管がんは黄疸で発症することが多いのですが、正確な病変の広がりの診断や治療に高度の専門性が必要であり、肝胆膵(すい)がんの治療を集中的に行っている医療機関での治療が必要な病気です。

胆のうがん、胆管がんとは
胆のうがん、胆管がんとは

胆のうがんは、内側の粘膜層に発生し、漿膜の方向に向かって深く進行していきます。漿膜下層に進行したがんは、胆のうの周囲のリンパ節に転移している可能性が高まります。がんが漿膜を突き破って胆のうの外に出てしまうと、肝臓・十二指腸・大腸など周辺の臓器に広がっていきます。
早期の胆のうがんは、胆汁をためたり送り出したりする働きに支障がないため症状がありません。そのため発見されにくく、黄疸などの症状が現れたときにはすでに進行していることが多くなります。
胆のうがんの場合、胆石や胆のうポリープ、胆のう腺筋腫症(胆のうの壁の粘膜が過剰に形成されて壁が厚くなる)など、他の胆のうの病気との鑑別が重要です。

一方、胆管がんの場合、早期から胆汁の流れがせきとめられ、黄疸が現れます。そのほか白色便、黄疸尿、かゆみ、嘔吐(おうと)、右上腹部痛、体重減少などの症状が現れます。胆管がんは、胆管の枝にそって広く進展する場合もあります。正確な診断や治療には専門的な知識や技術が必要です。

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この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    胆のう・胆管のがんの手術