腰痛になりやすい姿勢 座り仕事やデスクワークの対策

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セルフケア・対処腰痛腰が痛い

座っている姿勢は腰痛になりやすい

まっすぐに立っているときには「骨盤」は通常少し前に傾いています。
このとき背骨はゆるやかなS字カーブを描いています。S字カーブは背中の筋肉や腰にかかる負担が少なく、結果的に上半身の重みを和らげています。座る姿勢になると骨盤が後ろに傾くことが多くなります。同時にゆるやかなS字カーブも崩れます。すると上半身の重みによる負荷が大きくなり、腰への負担も増えてしまうのです。

仙骨座り

座り仕事の多い職業の1つは車のドライバー。車のドライバーが長時間運転でなりがちなのが「仙骨座り」。背もたれに背をもたれさせて運転しているうちに、お尻が座面を滑るように前方に移動します。すると骨盤はさらに後ろに傾きます。このとき「腰椎」は、S字カーブの適度な前わんが失われ、後わん傾向になって、腰への負担が大きくなっています。

座り仕事の人の対策

座り仕事の多い人でもっとも重要なのは、こまめな姿勢解除。気づいたときに姿勢を戻すことが大切です。また休息をとって立ち上がり、腰をゆっくり伸ばす体操などをすることが勧められます。

良い座り姿勢のイラスト

また、深く座って背もたれにもたれかけたときに、身体にフィットする感覚があるということが大切です。このとき、骨盤はほどよく前傾していて、腰椎もほどよく前わんの状態になっています。座面に深く座りづらい、深く座ると疲れやすいといった場合には、「骨盤前傾サポート」として、お尻の下にタオルを敷いてみましょう。骨盤が立って仙骨座りにならないようにできます。座面の大きさや自分の体型などに合わせて、厚みは調節してください。

デスクワークの対策のポイントは?

デスクワークでパソコン作業などする人に多いのが、猫背。デスクワークの場合、とくに腰痛歴がある人は、可能なら「フィット感のある自分に合ったイス」を用意してください。背もたれの高さが十分あって、座面の高さを調節できるものがいいでしょう。
もし深く腰掛けたときに、ひざの裏が圧迫される場合は、座面の幅が長すぎるので注意してください。

足元に物を置くのはよくありません。イスを机から離して作業することになるからです。そうすると、背中の筋肉が不必要に収縮し、腰への負担が増えてしまいます。座面の高さは足の裏が床にしっかりつく高さ、ひざの角度は90度です。座面に深く腰掛け、背もたれにもたれかかります。ひじの角度は90度以上、110度くらいが目安です。ひじかけやアームレストに前腕をのせた方が、無駄な緊張がなく作業しやすいでしょう。

座面が大きすぎるイスを使う場合は、骨盤前傾サポートだけでなく、腰椎前わんサポートを用意します。腰の真後ろにクッションや折りたたんだタオルなど、幅15センチ以内のものをあてて、背もたれとの間にはさんでみてください。つぶれた厚さが大体4センチくらいになるようにします。こうすると腰やお尻の位置が安定します。

デスクワークするときの対策

ノートパソコンで作業をするときにはとくに猫背になりがちです。ノートパソコンスタンドを使って、高さを調整するのもよいでしょう。目線はまっすぐより少し下に向けるようにして、首に負担の掛からないようにします。目と画面の距離は40センチ以上あけるようにしてください。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2022年3月 号に掲載されています。

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