介護保険制度が始まって10年。厚生労働省は2012年までに制度の見直しを行うことにしており、有識者を集めた検討会が今年11月に素案をとりまとめる予定だ。“介護の社会化”をうたい、あまねく人に介護サービスが行き渡ることを目指してスタートした介護保険制度。NHKではその実態を探るため、高齢者に関わる総合窓口として国が全国に整備している地域包括支援センター、約4200か所すべてを対象に独自のアンケート調査を行った。すると「介護が必要にも関わらず何のサービスにもつながっていない高齢者」が少なくとも3万8000人にのぼることが明らかになった。1割の自己負担すら払えない人、認知症を患い身寄りもない人。現在行われている制度見直し議論の中では、その存在すら忘れられ放置されている人たちだ。今後、さらに急速に進む高齢化と単身化。このままで安心して老いることのできる社会をつくっていけるのか、問う。
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