戦後に大きな足跡を残した劇作家の井上ひさしさんが亡くなって3ヶ月。7月1日、井上さんをしのぶ1200人が集まって都内で大規模なお別れの会が開かれた。ユーモアとペーソスあふれる数多くの小説や戯曲、エッセーを世に送り出した井上さん。そのテーマは多岐にわたるが、中でも多くの人びとの心に刻まれているのは笑いの中にくるみこんだ「戦争」への怒りと、「生きる」ことへの強いメッセージである。生前、井上さんが“壁”と呼び、最も深い信頼をよせ、創作活動のキャッチボールを繰り返してきた二人の人物、演出家の栗山民也さんと編集者の高橋至さん。井上さんが「戦争」をテーマに描いたほとんどの戯曲で演出を担当した栗山さんと、井上さんの人間賛歌の代表的セリフ、「きらめく星座」の中の感動的なセリフが生まれるきっかけを作った高橋さん。井上さんを最も知る二人がロングインタビューに応じ、語られざるエピソードや、書簡やファックスでのやりとりを公開。井上さんが遺したメッセージを探る。
みんなのコメント