8月7日に起きた南オセチア自治州をめぐるロシアとグルジアの武力衝突。双方が停戦合意文書に署名したものの、ロシア軍は依然、グルジア領内に駐留しており、国際社会から強い批判を浴びている。今回の衝突は、グルジアの後ろ盾となっているアメリカと、ロシアの”代理戦争”とも言われ、かつての冷戦構造がそのまま姿を現した形で、新たな米ロ対立時代の幕開けとの見方が強まっている。背景には、9・11以降、旧ソビエト諸国で次々と親米政権が誕生し、グルジアではNATO・北大西洋条約機構への加盟をめざす中、これ以上、欧米の思いのままに勢力圏を拡大させないという、ロシアの強い危機感があると見られている。番組では、紛争によって大量の難民となったグルジアの人々の今をルポするとともに、武力衝突の背景にあるロシアと欧米の新たな対立の深層に迫る。
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