おむつをしている高齢者は約200万人。高齢化の中、その数は増え続けている。しかし、安易なおむつの使用は、高齢者の意欲や体力を低下させ、本人の尊厳を損なうことになりかねないとの認識が高まり、各地で不必要なおむつを見極め、外そうとする取組みが広がっている。北九州市では、相談電話を設置し、おむつの使い方など排せつの問題に悩む高齢者や家族のためのサポートを始めた。愛知県では、泌尿器科の知識に基づき、膀胱の機能を調べ、トイレでの排尿の訓練などを行うことで、おむつを外すことに成功している。また、京都では、重度の寝たきりなどで、どうしてもおむつを使わなければならない人が、必要最小限のおむつで快適に過ごせるように、介護する側の意識から変革しようと教育に乗り出した。「そのおむつ、本当に必要ですか?」と問いかけを始めた、高齢者の排泄ケアの最前線を追い、「尊厳ある高齢者介護」のあり方を考える。
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