「医療制度改革」がスタートして1年あまり。その陰で今、介護現場に異変が起きている。本来なら、病院に入院すべき重い症状の高齢者が、介護施設に次々と入所しているのだ。施設の中で、入所者の容態が急変し、心肺停止に陥るなど、命に関わる事例も報告されている。介護施設は、医療を主目的としていないため、病院に比べて医療体制が整っていない。現場の医療スタッフは、危うい綱渡りを強いられている。また、長期間、重症の高齢者を抱えることで、施設の経営も苦しさを増している。高齢者のケアの場を、「医療」から「介護」に移し、医療費の抑制をねらう制度改革。その狭間で、苦悩する介護現場の実情を浮き彫りにする。
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