治安悪化が急速に進むアフガニスタン。長引く”対テロ戦”の陰で、この国の復興、ひいては国際社会の安定に大きく影響を及ぼしかねない事態が進行している。アヘンやヘロインといった麻薬の原料となるケシ栽培が全土に拡大し、世界の生産量の9割を超えたのだ。麻薬は、中央アジアやイラン経由で欧米に大量に流れ込んでいるだけでなく、密売による利益がタリバンの大きな資金源となっている。ケシの花が咲く4~5月。アフガン政府は、アメリカなどの支援を受け、ケシ撲滅のための”もう一つの戦争”を戦っている。ケシに頼らざるを得ない農村の窮状。麻薬によって蝕まれる都市部の現状。アフガニスタンの実相を描く。
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