全国の自治体で地域の特色を反映した新しい税の導入や検討が進んでいる。多治見市「廃棄物埋め立て税」、太宰府市「歴史と文化の環境税」、秋田県「子育て新税」・・・。地方分権一括法の成立で、地方自治体の課税自主権が強化されたことがきっかけだ。最も広く普及しているのが、全国19自治体で導入が決まっている「森林環境税」、荒廃した森林や水源を守るため、地域住民から広く薄く、税金を集め、環境保全の財源に充てようというものである。しかし、新税の導入にあたっては、受益者が特定しにくい分野で誰がコストを負担すべきなのか、という根本的な問題に行き着く。森林環境税の場合でも、水源地域の住民と都市部住民の温度差をどう埋めるのか、などの問題に直面している。森林環境税を全国に先駆けて導入した高知県や、百万都市を抱える神奈川県のケースなどを中心に、地方自治体が独自の新税をどう集め、どのように使うのか、住民参加と負担のあり方について検証する。
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