介護に疲れ、生活苦の末に、追いつめられた家族による殺人・心中事件が相次いでいる。今年に入ってすでに10件以上、介護の負担を社会全体で軽減しようと介護保険制度が始まって6年経つにもかかわらず、その数はいっこうに減る気配がない。今年2月、認知症の母親を合意の上で殺害したとして、息子が承諾殺人に問われた京都の事件では、その後の公判で、介護サービスや生活保護など、社会のセーフティネットが結果的に絶たれ、被告が生活苦から追いつめられていく過程が明らかになってきた。介護殺人がなぜ後を絶たないのか、地域社会や行政にどんな取り組みが求められるのか、介護心中事件をきっかけに地域のネットワークで介護世帯を支援し始めた長野県下諏訪町の取り組みも交え、検証する。
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