介護保険制度による介護サービスが始って2年半、在宅介護の現場では高齢者を支えきれない事態も浮き彫りになってきた。
今年5月、佐賀県鹿島市で在宅介護を受けていた80代の老夫婦が川に飛び込み心中を図った。妻は死亡。夫は一命を取り留めたが承諾殺人に問われ、懲役3年、執行猶予5年の刑が確定した。
将来への不安に加え、在宅介護の自己負担額が20万円を越える高額になったことが心中の背景にあった。家族や関係者が自己負担額を減らす検討を始めた矢先の出来事だったが、老夫婦が死への道を選ぶほどまで追い込まれていたことは誰も気がつかなかった。
高齢者の悩みを受け止め在宅介護を支えるにはどうしたらいいか。これまで介護に関係のなかった地域の人たちが関わる新たな取り組みや、自己負担額を減らすボランティアグループの実践例などを見ながらその方策を考える。
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