「無表情で、あちこちを徘徊し、便をもてあそぶ」。そんな痴呆のお年寄のイメージを覆す新たなケアが、介護施設で始まった。
施設の中を小さなユニットに分けて、スタッフがお年寄に寄り添い、一つの家族のように生活する、「ユニットケア」と呼ばれる試みだ。
“介護をしてあげる”のではなく、“共に暮らすケア”へ。これまでの介護の常識が大きく変えられた。
ユニットケアによって、包丁を握って料理をしたり、文字を書いたり、痴呆のお年寄の忘れられていた能力が次々に引き出されている。
無表情だったお年寄が、生き生きと目を輝かせ、「生」を取り戻していくユニットケアの現場、そして、お年寄が心から安らげるケアを目指して始まったスタッフ研修の現状を取材し、これからの新しい痴呆介護の可能性を探る。
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