デジタル化の中でのニュースの読まれ方③

~日韓でみるロイター・デジタルニュースリポート2023~

公開:2024年4月1日

本稿は、イギリスのオックスフォード大学にあるロイタージャーナリズム研究所が行う国際比較調査『デジタルニュースリポート2023』についてのシリーズの第3回で、日本と韓国のデータを取り上げた。ニュースへの「信頼」や「関心」、特定のニュースを避ける「ニュース回避」、ジャーナリストへの批判、主なニュース源(News Source)、ソーシャルメディアでの情報源、誤情報・偽情報への懸念などの分析を通じ、両国の市民がどのようにニュースに接しているか概観した。
日韓は、「アグリゲーター」とも呼ばれているプラットフォームの利用者が多いなど、メディア環境で共通点がある。
一方、政治・社会の状況では、韓国は保守派と革新派の対立が続き、メディアがその対立に関わっているなど、日本と異なる点もある。分析の結果、韓国ではニュースへの信頼や回避する話題、ソーシャルメディアでの情報源などで、政治の影響が日本よりも強いことがうかがえた。また、報道機関などによるファクトチェックが進んでいる韓国では、誤情報・偽情報の懸念が強く、その話題でも政治の影響がうかがえた。
さらに、日韓ともに現状ではプラットフォームが優位の状況を維持しているが、若者層では、ソーシャルメディアの利用が増えている。日本でも韓国でも18~24歳の間では、ソーシャルメディアの利用がプラットフォームの利用を上回っており、この傾向は今後、加速していくことが予想される。

メディア研究部 税所玲子
アジアユーラシア総合研究所 池畑修平

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