発掘ニュース

No.083

2015.11.27

ドラマ

視聴率47.4%!超・幻の朝ドラ『繭子ひとり』を発掘!

総集編も含め、まったく映像が残っていなかった超・幻の朝ドラ!
1971年放送の朝の連続テレビ小説『繭子ひとり』が今週の大発掘です!

先週、幻の大河ドラマ『国盗り物語』の発掘をご紹介しましたが、同じく杉良太郎さんから提供いただいたビデオの中に『繭子ひとり』が残されていました!

こちらのUマチックビデオテープです。

手書きのタイトルメモを見てみると…

民放のワイドショー番組の録画とともに、“繭子一人 NHK 46年”と書かれています。
ワクワクしながら映像を見てみると…!

ヒロイン・繭子を演じる山口果林さんです!「0:52」ということはお昼の再放送分。残念ながらオープニングからではありませんでしたが、確かに『繭子ひとり』の映像です!

東京に出ていた繭子が、久しぶりに故郷の青森・三戸町に戻り幼なじみと会っている場面のようです。

杉良太郎さん登場!繭子が心を寄せる小学校教師、長沢先生役です。ドラマの会話からすると、結婚相手が決まりその弟と釣りをしているようです。

長沢先生も繭子もお互いに未練があるような…
このあたりからテープの劣化のため色が変化している部分が多く見づらくなっています。

当たりがあった魚を逃がしてしまったシーンでは、「逃げた魚は大きいっていうからな。」と意味深なセリフ。

ラストには「第125回 終」のテロップが。1971(昭和46)年8月27日放送の第125回ということが判明!

『繭子ひとり』は大人気の朝ドラで平均視聴率は47.4%!『おしん』に次ぐ高視聴率でした。

当時の朝ドラは前期、後期に分かれておらず、一年間通しての放送でした。全310回のうちの一話分、わずか8分弱ですが大変貴重な映像です!

「繭子ひとり」の思い出は?
朝の連続ドラマに出演すること自体、「いいのかな」という思いも多少はありました。 …時代劇に比べて、演じるにあたってどこか物足りない感じを受けました。と、いうのも「文五捕物絵図」<1967年放送>に出演させていただいた際、撮影に入る前に当時の制作スタッフの皆様よりドラマづくりの基本を学ばせていただいたのでそのように感じたのかもしれません。

さて、杉さんからもう一つの発掘です!

ご存知『連想ゲーム』。1973年1月20日放送、司会は中江陽三アナウンサー!この時期の『連想ゲーム』は全く保存が無く、現存する最も古い『連想ゲーム』となりました!

当時は公開放送だったのですね!

杉さんは着物姿!キャプテンは加藤芳郎さんと天地総子さん。

この日の男性チームは、田崎潤さん、山田吾一さん、西城秀樹さん、杉良太郎さん、内田喜郎さん。女性チームは小山明子さん、ロミ山田さん、新藤恵美さん、左時枝さん、菊容子さんでした。今から42年前の懐かしい皆さん、お若い!

先週の『国盗り物語』、そして今週の『繭子ひとり』&“最古”の『連想ゲーム』。杉さんが録りためたUマチックビデオテープによる大発掘です!

杉さんの言葉です。

Uマチックデッキ、テープは破格に高いものでした。当時、私の給料が安かったのにもかかわらず少し無理をして買ったのは、「やむを得ず」でした。そのとき私は月に12本~13本のドラマを収録していたのですが、自分の放送されたものを見る時間がなく、Uマチックで録画したもので放送内容を確認していました。 また、もうひとつの理由として、「自分の作品を自分で残したい」という気持ちもありました。

70年代以前、NHKの番組の多くが残っていない事について
莫大な財産を二度と見ることができないということは、ある意味 悲劇だと思います。当時の作品の中には、真の名優、真の演出家、プロデューサーの方々が、命をかけて取り組んでいらっしゃったものがたくさんあり、今の世代の方々に、彼らの熱い思いを伝えられないことはとても残念なことだと思います。

テレビの歴史を作り上げてきた皆さんの熱い思い、なんとか映像を発掘して後世に伝えていきたい…そんな思いを新たにしました。

杉さん、本当にありがとうございました!

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