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インタビュー

権藤茂兵衛 役・風間杜夫さん

「ヒール」ですが、愛される役になる気がします

スポーツシーンを彩る数々の応援歌やヒット歌謡曲を手がけた、昭和を代表する作曲家・古関裕而(こせき ゆうじ)氏をモデルに、音楽とともに生きた夫婦を描く、連続テレビ小説『エール』。
第3週では、裕一(窪田正孝)が権藤家の養子になるべく川俣に移り、望まぬ形で社会人生活をスタートさせました。今回は、裕一の伯父にして音楽の道を諦めさせた張本人、権藤茂兵衛を演じる風間杜夫さんにインタビュー。茂兵衛を「意外といいヤツなんです」と語る、そのわけとは――?

――風間さんは、権藤茂兵衛をどんな人物だと捉えていますか?

銀行の頭取でもある大変な資産家ですが、跡取りがいない。妹夫婦の息子・裕一(窪田正孝)に目をつけ、「作曲家になりたい」という彼の夢を諦めさせ、半ば力づくで養子にする――。役の第一印象は、エールというより“ヒール(悪役)”でした(笑)。
ところが、このオヤジ、意外といいヤツなんです。裕一や三郎くん(唐沢寿明)と同じように、板挟みの中で葛藤している人物だと思っています。

――たしかに、たびたび両親から、気の毒なほどプレッシャーをかけられていますよね。

跡取りがいないのは、当時としては大問題だったのでしょう。ましてや、あれほどの名家ですから。
オヤジ(源蔵・森山周一郎)とお袋(八重・三田和代)の叱責に対しては、子どもを望めない病気がちの妻をかばうだけで精いっぱい。いい年して、シュンとするほかありません。そして、部屋で一人苦悩する……。そういう表情ばかりです。三郎とまさに「息子をよこせ!」と怒鳴り散らすのも、現状を変えるために仕方なくやっていると理解しています。

――茂兵衛からは、古山家がどんなふうに見えているのでしょう?

茂兵衛と(妻である)絹子の間に男の子さえ生まれていれば、妹の家庭に関心なんてないでしょうね。ところが、二人も男の子が生まれているので、うらやましいというか、悔しい部分があると思います。

――古山家に来たときの演技では、そういう感情もちょっと出している?

そうですね。演技としては、嫌味な感じではなく、演出とも相談して重々しい雰囲気にしています。茂兵衛は、性根が腐っているわけではありませんから。まぁ、三郎くんやまさ(菊池桃子)からは、完全に嫌われていますけど。唐沢くんと菊池さんは、現場であまり僕に近寄って来ないです(笑)。

――第3週では、裕一が権藤家の養子になることに決まりましたね。

茂兵衛は「息子のどちらかをよこせ」と言ってきましたが、本心では裕一を迎えたかったのだと思います。きっかけは、小学校の運動会。足を痛めた裕一が、転んでも立ち上がり、足を引きずりながらゴールに向かった姿です。あのシーンは僕自身も感動しましたが、茂兵衛としても、裕一の懸命さやひたむきさやに気づいたのだと思います。

――裕一が川俣に来て、風間さんと窪田さんの共演シーンも増えそうですね。

はい。ドラマの中では叱り飛ばしていますけど、休憩時間には非常に穏やかに、共演した昨年の舞台を懐かしく語っています。窪田くんは、足をけがしながらも車いすで見事に演じ切ったんですよ。その根性たるや、すごかった。信頼する役者さんですので、一緒に演じていておもしろいですし、今後のシーンも楽しみです。

――今後の茂兵衛に関しては、どんなところに注目してほしいですか?

しかめ面ばかりの茂兵衛ですが、思わず笑みがこぼれたり、涙をこらえたりと、いままでとは違った顔をするシーンが出てきます。茂兵衛のイメージが少し変わるかもしれませんね。
とりあえず、しばらくは裕一を立派な跡継ぎにするべく、目を光らせます。その後は、忘れたころに……詳しくは言えませんが、いいオヤジになっていると思いますよ。

――まさかの、茂兵衛が人気キャラクターになる可能性が……。

思えば、『マッサン』で演じたニシン漁師・森野熊虎(くまとら)も人がよかったし、『ゲゲゲの女房』で演じた村井修平も、立派な人ではないけど好感持てるオヤジでした。今度こそ、「茶の間の憎まれ役になってやろう!」と思っていたのですが、また愛されそうな気がします(笑)。

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