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時間で変化“雪の重さ”注意!

  • 2023年12月15日

今週は本格的な雪のシーズンを前に「大雪から命と暮らしを守るWEEK」として
今だからできる備えや対策についてお伝えしていきます。
今回は、「雪の重さ」のリスクについてです。

変化する“雪の重さ”

新庄雪氷環境実験所の人工降雪装置
天然に近い結晶を作って降らせることができる

防災科学技術研究所 新庄雪氷環境実験所です。

雪と氷に関する防災の研究を行っていて、人工的に結晶をつくり、雪を降らせることができます。

荒川逸人 特別研究員

積もった雪の構造などについて研究している特別研究員の荒川逸人さんです。荒川さんは、時間の経過とともに“雪の重さ”は変化するといいます。

積もったばかりの雪はとても軽くて柔らかくてすぐ崩れやすい。時間がたつと自分の重さだけで潰れてしまいます。

    新雪の結晶 → 3か月経過した雪の結晶

左側降ったばかりの雪の結晶。隙間があり、形がはっきりとしています。

右側は冷凍室でおよそ3か月保管した雪の結晶。押し固められた雪は体積が小さくなっています。時間が経過して雪の質が変わると、結晶の形にも変化が生じていました。

新雪の26の重さ

降ったばかりのやわらかい雪は8リットルの容器に入った状態で144グラム。
1立方メートルあたりに換算すると18キロ。

こちらは冷凍室でおよそ3か月保管した雪。

同じ容器に入れて押し固められた雪の重さは3793グラム。
1立方メートルあたり474キロおよそ26倍の差がありました。

去年2月、新庄市で平屋建ての木造住宅が全壊し、この家で1人暮らしをしていた60代の男性が亡くなりました。警察によりますと、屋根には当時、およそ1メートル50センチの雪が積もっていて、雪の重みで倒壊したとみられています。このとき、屋根に積もった雪はどれぐらいの重さだったのでしょうか。

 

当時、研究施設に積もった雪のデータを表したグラフです。青い線が雪の深さ、赤い線が雪の重さを1日ごとに示しています。

研究施設は倒壊した住宅からおよそ1キロのところにあり、倒壊した去年2月9日の積雪の深さは最大1メートル68センチ。1平方メートルあたりの重さは平均で504キロでした。

荒川さんは倒壊した住宅に積もった雪の重さも同じ程度だったと考えています。

重さを可視化!「雪おろシグナル」

雪の重さによる住宅への被害を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。

屋根の雪おろしが一番の関心ごとになると思う。防災科学技術研究所では「雪おろシグナル」を公開している

「雪おろシグナル」と呼ばれるウェブサイトです。雪の重さと危険度が地図上に色分けされて表示されます。

建物が倒壊するおそれがある場合は、紫や赤、オレンジで表示されています。

雪下ろしをする目安となっているのが黄色。重さは1平方メートルあたり300キロから500キロで雪の深さは1メートル程度となっています。雪の重さの危険性が把握でき、適切な雪下ろしをする判断材料になると期待されています。

屋根に雪が積もった建物

これから本格的な雪のシーズンを迎えます。
見た目ではわかりづらい“雪の重さ”のリスクを知り、備えることが必要です。

積雪深があまりなくても、実は重くなっていて家屋が倒壊するリスクの重さになっている可能性もある。いま積もっている雪の量だけでなく、重さで判断して屋根の雪おろしを考えられるといい。そのあたりも気をつけながら毎日の気象情報を見ていただければ

取材後記

「こんなに重くなるの!?」。今回、新庄雪氷環境実験所の協力のもと、冷凍室で3か月保管した雪の重さが新雪の26倍にも及ぶことを知り、驚きました。時間とともに雪が重くなるイメージは持っていましたが、その数字には説得力がありました。雪の深さだけでなく、雪の重さにもぜひ着目してほしいと思います。ぜひ「雪おろシグナル」を活用して、屋根の雪おろしに役立ててもらいたいと思います。もし雪下ろしをする際は、2人以上で、ヘルメット・命綱の着用もお願いします。

  • 岡野 祐己

    山形局 記者

    岡野 祐己


    新聞記者を経て令和2年入局。県政担当。
    京都→兵庫→大阪→山形と暮らしてきました。
    関西にはない山形の自然が好きです。 

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