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業績V字回復! 地方スーパーの起爆剤“げそ天”

  • 2023年12月15日

名物 “げそ天”

 

山形市の住宅街にあるスーパー。午前10時の開店と同時に、続々と客が入っていきます。総菜や果物、調味料などが売られている店内。店内の一角に設けられたイートインのコーナーで客が注文していたのが、この店手作りの“げそ天”です。

 

やわら~い おいしい

売り上げ激減で苦境に

 

げそ天を揚げる遠藤英則さん

作っているのは、このスーパーの店主、遠藤英則さん(42)です。6年前から販売を始め、いまでは店の名物となっています。

 

昭和40年創業の「エンドー」

この店は、昭和40年創業。地元の野菜や鮮魚などを販売する食品スーパーとして、遠藤さんの父親が開業しました。東京の飲食店で働いていた遠藤さん。結婚を機に山形に戻ってきて、13年前に店を継ぎました。当時、大手スーパーに客をとられ、売り上げは激減店の半分のスペースを閉めて、なんとか営業している状況でした。

 

新しいお客さんは来ないですし、地元の人が足りない物とかちょっとしたお惣菜を買いにくるぐらいでぎりぎりですよね

生き残りをかけて模索する中、遠藤さんが目をつけたのが、そばのトッピングとして定番のげそ天でした。スーパーの主力商品として売り出すことで、人を呼び込む起爆剤にしようと考えたのです。

“げそ天”へのこだわり

 

あげるときに使っているのは米油サクサクとした食感に仕上げています。
冷めてもイカがかたくならない工夫も。しかし・・・。

 

「一手間加えています。企業秘密です」

おやつにも おつまみにも

 

味のバリエーションを増やすことで、おやつおつまみとしても楽しめるようにしました。わさびやキムチなど、11種類を取りそろえていて、テイクアウトもできます。

販売戦略も強化

さらに、げそ天にちなんだキャラクターまで作り、グッズも販売。次第にSNSや口コミで話題を集めるようになり、店内は、県内外から訪れる客でにぎわうようになりました。げそ天をきっかけに、総菜や鮮魚などの売り上げが伸び、業績はV字回復しました。

ある日の閉店後。店内では、イベントが開催されていました。地元の人や観光客にこのスーパーのファンになってもらおうと、遠藤さんが企画したものです。この日のテーマは「沖縄料理」。特別に取り寄せた石垣牛を焼いて提供しました。

 

げそ天をしょっちゅう買いに来ていまして、飲み屋としてやっているということは初めて知って。すごいいいなと思って。ファンになってまた来ちゃいそうですね

グッドデザイン賞!

 

こうした取り組みを通して、遠藤さんのスーパーは、暮らしや社会を豊かにするすぐれたデザインや
取り組みを表彰する「グッドデザイン賞」の金賞に選ばれました。効果的な販売戦略で人を呼び込み、
地域活性化にも貢献している点が評価されたのです。

これからもこの場所で

 

げそ天を名物にしたことで人を呼び込むことに成功した遠藤さん。地域に根ざしたスーパーとして、これからもこの場所で、訪れた人たちを笑顔にしたいと考えています。

 

文字通り地域に根ざして必要とされているので、これからも変わらずたくさんの方に来てもらって、おいしいものを提供していきたい。それだけです

  • 都倉一士

    NHK山形放送局 記者

    都倉一士

    2023年入局。前職は新聞記者。山梨県出身。
    山形市政など中心に取材。

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