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クマの大好物に異変!クマ被害をとめっべ!

  • 2023年10月06日

 

芋煮会や紅葉狩りなど、楽しい行事が盛りだくさんの秋のシーズン。
「食欲の秋」は人間だけではありません。冬眠前の「クマ」に注意が必要です。
                               (NHK山形 一刀祐平)

クマの大好物が…

クマの大好物「ブナの実」

直径およそ1センチの小さな実。クマの大好物「ブナの実」です。
油分が多く冬眠前の秋に脂肪を蓄えたいクマにとっては、私たちの肉や魚といったごちそうです。

西川町のブナ林

そんな「ブナの実」のことしの実り具合はどうなっているのでしょうか?
西川町の山林で行われた県の調査に同行しました。

ブナの実の調査

調査は県環境科学研究センターが毎年7月から11月にかけて月1度、県内15地点で実施。
ブナの実が落ちてくると想定される場所に設置した専用の装置で実り具合を調べます。

調査の様子

調査員が網に落ちてきたブナの実を数えます。

田中
調査員

どんぐりや落ち葉は入っていますが、今のところブナの実は見つからないですね。

全くなしですか!?いやいや、この装置だけ見つからなかったのかもしれません。
調査では、10の装置を確認しました。その結果は…

調査の様子
調査の様子

県によりますと、去年の調査では1つの装置につき平均で100個ほどの「ブナの実」が確認できたということですが、今回の調査では1つも確認できませんでした

県環境科学研究センター 田中恵子部長

県環境科学研究センター田中恵子部長
「クマの餌というのはブナの実だけではないので、一概には言えないんですけれど、
山の実りが少ないということになりますと、里の方にもクマが出没する心配があります

ブナの実「凶作」でクマに注意!

ことし、クマの大好物「ブナの実」は凶作になると見込まれています。
これがクマの行動にどのように影響を与えるのか、鶴岡市で鳥獣被害の対策を行う専門家に話を聞きました。

鶴岡市農山漁村振興課 小野寺レイナ鳥獣被害対策推進員

鶴岡市農山漁村振興課 小野寺レイナ鳥獣被害対策推進員
「クマはブナの実が大好きなので、ブナの実がなければ他の餌を探すと思われます。クマは冬眠前で食べるものを求めているため、人里で食べ物が手に入るとわかると、そのまま長く滞在してしまう可能性があります

秋田県では3頭のクマが小屋の中に20時間以上居続けたあとに、捕獲されるなど、全国的に人里でのクマの出没が増えています。
県内でもことし9月のクマの目撃は100件余りとこれまでで最も多くなりました。

県内は今、芋煮会シーズンまっただ中。
山林にほど近い河原でも、餌を求めるクマの出没が懸念されています。

鶴岡市農山漁村振興課 小野寺レイナ鳥獣被害対策推進員
『まさかこんな所にクマ来ないだろう』と思っている場所でもクマは来ます。この時期、芋煮会をしたあとも、いい香りにつられてクマが山から下りてくる可能性もありますので、生ゴミや余った具材などは必ず持ち帰ることを徹底しましょう

空腹のクマに気をつけて

クマの被害にあわないための3つの注意点です。

  1. 芋煮会 確実に後片づけ!
    芋煮会の生ゴミや余った具材などは必ず持ち帰ることを徹底しましょう。
  2. 果実は早めの収穫・処分を!
    県は果実の早めの収穫を推奨しています。
    庭先の木などに果実が残っているとクマが寄ってきます。不要な果実は早めに処分しましょう。
  3. 人の目が届きにくい場所に注意!
    ふだん頻繁に立ち入らない納屋や車庫は施錠するなどして、クマが隠れることができる場所を作らないようにしてください。

楽しい秋の行楽シーズン。クマの被害に遭わないためにも、できる対策を徹底してください。

  • 一刀祐平

    山形局・記者

    一刀祐平

    ニュースを一刀両断。
    山形出身山形育ち。
    県内を走り回ります。

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