地域一丸で奏でる音色
- 2023年07月19日
去年4月、米沢市に小学生の吹奏楽クラブが誕生しました。
市内の小学校から吹奏楽クラブや金管バンドが相次いでなくなる中、子どもたちが音楽を楽しむ場を残したいと地域が協力して活動しています。 (NHK山形 川崎なつみディレクター)
学校の垣根を超えた活動
米沢ジュニア吹奏楽クラブ。市内6つの小学校に通う4年生から6年生33人が活動しています。
練習は土曜日の午前中、本番前には日曜日にも行います。
去年9月には山形県代表として、第65回東北吹奏楽コンクールに出場しました。
取材したこの日は、地区大会を前に本番を想定したホールでの練習です。
子どもたちが吹奏楽を続ける環境を残したい
クラブ代表兼音楽監督を務める、井上雅史(いのうえ・まさし)さんです。
実は、東京に単身赴任中の会社員。
金曜日の夜に自宅のある米沢に帰ってきて、週末練習をして、日曜日に東京に戻る、そういう生活をしています。
井上さんは中学で吹奏楽を始め、仕事のかたわら地元の楽団にも参加し楽器を続けてきました。
7年前からは、長男が通っていた米沢市立西部小学校で吹奏楽クラブの指導を始めます。
しかし、教育環境の変化で市内の小学校で吹奏楽を演奏する場が次々と減少し、西部小学校もクラブの継続が困難になりました。
学校がクラブを維持できないという状況でも、子どもたちに何とか吹奏楽を続ける環境を残したいという思いはみんな同じだったんです。学校とも相談して、地域の方にも協力いただきながらやろうと、形を整えました。
地域で協力して活動を支える
練習には、西部小学校の体育館を使わせてもらっています。
楽器の保管や維持にも学校の協力は欠かせません。
クラブの基本的な運営は保護者たちが行い、楽器の経験者は指導も手伝います。
さらに地元の吹奏楽団のメンバーやクラブのOBも駆け付け、子どもたちはそれぞれの技術にあった指導を受けています。
こうした地域の支援が、クラブの活動を支えているといいます。
みんなで一緒に吹いたりするところが楽しいです!
楽器でいろんな人ととうまく音が合うと気持ちがいいです!
井上さんと子どもたちは聴く人が「感動する演奏」を目指しています。
ここで音楽の魅力を感じて長く続けてほしいですし、一生懸命頑張ることや協力して音楽をつくることで達成感を感じてもらえたらいいなと。
音楽に思いを寄せる子どもたちがもっと集まり、 輪が広がることによって地域活性化にもつながればと思います。
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