令和3年4月、南陽市に医療的ケアが必要な人や重い障害がある人に特化した受け入れ施設が誕生しました。
こうした施設は置賜地方では初めてで、子どもだけでなく18歳以上でも利用できるのが特徴です。
子どもたちの受け皿としては、養護学校や放課後等デイサービスなどがありますが、成長したときの行き場が少ないことが課題となっています。
こうした施設ができるのを待ち望んでいたと語る、ある家族を取材しました。
18歳以上の重い障害がある人の受け皿は、自宅から通うタイプのところでは「生活介護事業所」という施設になります。
置賜地方の自治体に確認したところ、令和3年4月時点で22ある事業所のうち、医療的ケアや重い障害がある人に対応可能な施設は7か所にとどまりました。
自治体によっては対応可能な施設は0と回答したところもあります。
県の担当課によりますと、「医療的ケア児の存在が注目されるようになったのがここ数年のため、成長した人の受け皿も環境整備がまだ遅れているのでは」とのことでした。
医療的ケアが必要な人が成長したあとの行き場について取材を進める中で、ある親御さんからは「子どもが18歳になってから、施設の定員の関係で複数の施設をかけもちするようになったところ、本人が環境の変化に対応できず体調を悪化させてしまった」という切実な話を聞いたこともありました。
今回のような施設が出来たのは地域にとって大きな前進だと思いますが、まだまだ「これから」という状況です。家族の負担が少しでも抑えられる環境が作られるよう、引き続き取材をしていきたいと思います。
山形局記者 | 投稿時間:17:34