「75/96」…。
こちら、
いったい何の数字だと思いますか?
実は、平成31年に県が医療的ケア児の
家族にとったアンケートのうち、子どもの通院に
「負担感がある」
「やや負担感がある」
と答えた人の数なんです。
全体の8割近くにも上り、回答した家族からは
「病院に車で連れていく際に、たんの吸引のために
そのつど止まらなければならない」
といった事例が多く上げられました。
そこで、県は家族の負担を減らそうと
令和2年度から通院の際、訪問看護師の付き添いの
支援を受けられる事業を始めました。
実際に利用した家族の声を聞きました。
なぜ訪問看護師はこれまで付き添えなかった?
取材を受けてくださった
後藤さんも「助かった」という訪問看護師の付き添い。
実は自宅以外への同行は医療保険で認められていません。
そのため、仮に依頼すると費用は全額自己負担となります。
後藤さんの場合は1時間あたり8000円も払うことに。
そこを、県が事業者に委託料を支払うことで
利用者の負担を減らしたサービスが可能となったのです。
利用拡大への課題は
このサービス、取材した令和2年の秋までに利用していたのは
後藤さんしかおらず、取材させていただいた日がまさに初日でした。
なぜ事業が始まってから半年以上利用者がいなかったのか。
県は
▼自宅から医療機関への距離がおよそ30キロ以上、
▼年4回まで
という条件がついていることが要因の1つと考えているようです。
そこで、県は令和3年度から、
▽距離制限無し
▽利用は月に1回まで
と条件を緩和することにしました。
より多くの家族に使いやすい制度になりましたが、
県の担当者は
「今後も家族のニーズを吸い上げて負担軽減につなげたい」
と話しています。
条件が緩和されたことで、どれほど利用が広がるのか、
さらに改善が望ましい部分が出てくるのかなど、
今後も注目したいと思います。
山形局記者 | 投稿時間:19:02