【記者特集】新型コロナでマスク・消毒用品不足! "医療的ケア児"家族に危機感

 

新型コロナウイルスの影響で、

マスクや消毒用品の不足が続き、

不安を抱えている人も多いと思います。

 

こうした状況に、

生きるために人工呼吸器や

たんの吸引などが欠かせない

「医療的ケア児」とその家族は

“命にかかわる”と危機感を募らせています。

 

 

先が見通せない不安

マスクについて、

政府は転売を禁止したほか、

国内メーカーの増産や輸入拡大をして

供給量を増やすと言っていますが、

品薄の状態は依然続いています。

 

また、アルコール綿も

メーカーによると、病院や個人などからの注文が増えているため、

いつになったら安定的に供給できるかめどが立たないということでした。

 

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消毒液など  国や県が配布も…

マスクやアルコール綿に加え、

医療的ケア児とその家族に欠かせないのが

「消毒液」です。

 

実は消毒液、厚生労働省は

都道府県を通じて

人工呼吸器や気管切開をしている

医療的ケア児に配布することを決め、

県内でも3月17日から、

16の市町に住む42人を対象に

(人工呼吸器18人・気管切開24人)配布が始まっています。

 

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さらに、県は備蓄しているマスクおよそ4000枚と、

県民から寄付があった「アルコール綿」およそ2000枚を、

消毒液と同様の、42人に配布することを決め、

3月27日から発送を始めました。

 

ただ、いずれも、

対象としているのは

18歳までの子どもたちだけ。

高校を卒業した18歳以上のいわゆる「医療的ケア者」は対象外となっています。

 

気管切開をしていてたんの吸引が必要な31歳の娘がいるという母親は

「ほぼ、毎日のように薬局やドラッグストア、ホームセンターを

回っていますが、マスクも消毒用品もなかなか手に入らず困っています。18歳以上でも同じように医療的ケアが必要なのは変わりません」

と話していました。

 

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県の担当者は、

「18歳以上の『医療的ケア者』についても

国で支援をしてもらえないか要望していきたい」

と話しています。

 

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マスク・消毒用品が足りない人へ

一方、医療的ケア児とその家族への影響について

NHK総合テレビでお伝えしたあと(3月19日)、

マスクや消毒用品を寄付したいという連絡が当事者団体の

「山形県医療的ケア児者・重症児者の会」に相次いでいるということです。

 

3月24日までにマスクは100枚届いているほか、

今後、マスクやアルコール綿などを送りたいという連絡も来ていて、会では、会に所属する家族などに配布したいとしています。

 

「山形県医療的ケア児者・重症児者の会」の事務局を担当している合同会社ヴォーチェの

佐藤奈々子代表は

「新型コロナウイルスの影響で

世の中が暗い雰囲気に包まれる中、こうした地域の人たちからの

温かな気持ちは、本当にありがたい。

必要な方の手元に届くよう会としても対応していきたい」

と話していました。

 

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問い合わせ先は、

「山形県医療的ケア児者・重症児者の会事務局」。

電話 023ー664ー1735

FAX 023ー664ー1736 

 

午後1時半以降に連絡してくださいとのことです。

 



医療的ケア児     

山形局記者 | 投稿時間:16:33