アイスも食べられる! "固い"紙スプーンとは

 

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去年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法」。プラスチックを大量に排出する事業者は、

排出量の削減やリサイクルについての目標を作成することが義務づけられる法律で、これをきっかけに大手の飲食店などでは今、フォークなどを紙製や木製に切り替える動きが広がっています。しかし、プラスチック製に比べるとどうしても丈夫さは見劣りし、課題となってきました。この課題を克服し、アイスも食べられる固さを実現した紙製スプーンを山形市内のメーカーが開発し、6月下旬から発売されました。いったいどんな特徴があるんでしょうか?

 

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6月4日、山形市内で開かれたマルシェ。カレーやスープのブースで買い求めた人に渡されたのが、

新開発の紙製スプーンです。

 

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「食べやすいですね。持ちやすいし食べやすいし、しっかりしてて丈夫な感じ」。

 

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「お茶とか、繊細な味の食べ物だと(木のスプーンだと)木の香りも気になるところで、全然何のにおいもついてなくて味の邪魔しない感じ」。

 

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新たな紙製スプーンを開発したのは、山形市に本社を置くメーカーです。同じ形のものを量産するための「抜き型」の製作と、その技術を生かして紙や樹脂などのプレス加工を行っています。

 

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専務の髙橋広真さんです。この製品の開発に取りかかったのは1年前、去年6月でした。

 

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「海洋プラスチックやマイクロプラスチックなど、今、世界中でプラスチックによる色んな問題が起きてますので、それに代わる素材の製品を作りたいと思って」。

 

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プラスチックは一度海に流れ出ると、ほとんどの種類は自然に分解されず、海を漂い続けます。その上、極めて小さくなったマイクロプラスチックは海の生態系への影響が懸念されています。

 

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プラスチックごみの削減を進めるための法律の施行をきっかけに大手のコンビニや飲食店などでは、

プラスチック製のストローやスプーンなどを紙製や木製に切り替える動きが広がっています。しかし、紙製や木製には大きな課題があります。それは丈夫さです。

 

 

従来の紙製や木製のスプーンだと、このように、折れてしまったりして上手にすくえません。

 

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この課題をクリアした製品を作れば、ビジネスチャンスをつかめるのではないか。

 

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髙橋さんが素材に選んだのは特殊なコーティングがされている紙でした。丈夫さや水分や油への耐久性がアップする一方で、自然に分解される性質は保っています。

 

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素材だけではありません。形にも工夫をこらしました。100回以上の試作を行ってたどりついたのがこちら。

 

 

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折り紙の発想で、柄の部分を二重折りにすれば強度はアップするはずだと考えたのです。

 

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さらに、すくう部分に深みを持たせようとフックをかける形を採用しました。特許をすでに申請したというこれらのアイデア。使用時に組み立ててもらうようにすることで保管の際はかさばらず、製造コストも抑えられるようにしました。記者が使ってみると…。

 

 

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新開発の紙製スプーン。価格は1本10円から15円程度を予定していて、従来の紙製スプーンよりは高いものの、十分商機はあるとにらんでいます。

 

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「正直コストは割高にはなるが、環境性を付加価値として訴えればお客様にも分かっていただけるんじゃないかなと。スプーンやフォークは世界中の方が使うものですので日本だけじゃなくて世界中の方が使っていただけるような製品になるように、広めていければ」。

 

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この新開発の紙製スプーン、特殊なコーティングによって熱々の汁物などを食べる際の丈夫さも向上。木製だと木のにおいが気になることもありますが、それもありません。すでに大手飲食チェーンから問い合わせを受けるなど、引き合いもあるということです。今後、業務用として飲食店などに販売していきたいということです。

 



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山形局記者 | 投稿時間:11:19