【記者特集】自宅に戻りたくても...

 

令和4年8月の豪雨で県内では置賜地方を中心に住宅の浸水被害が相次ぎました。

 

今も自宅から離れた場所で仮住まいの生活を余儀なくされている人がいます。

 

“自宅に戻りたくても戻れない”その背景を取材しました。

 

 (山形放送局 記者小林桃子)

 

 

住宅再建の支援制度は

 

被災した住宅の修繕には経済的な負担が重くのしかかります。

 

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このため、国は住宅の被災の程度に応じて支援金を支給する

「被災者生活再建支援制度」を設けています。

 

しかし遠藤さんが判定された「一部損壊」は対象外となっています。

 

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支給の対象外になっている人を支援しようと川西町と県は独自に補助金を出しています。(※令和5年3月31日まで)

 

床上浸水した住宅に対し、町と県が出す補助金は合わせて最大50万円あまり。

 

ほかの被災自治体でも川西町と同じように独自の支援策を行ったり、県の補助金を活用したりしています。

 

 

生活再建の実態把握が課題

 

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それでも今回取材した遠藤さんのように支援金や補助金だけでは足りず「住宅の修繕や再建に踏み切れない」という声も自治体には 

寄せられているといいます。

 

ただ、生活再建ができていない世帯がどれくらいあるのか、実態の把握がしきれていない自治体もあるのが実情です。

 

 

国は「自助」を呼びかけ

 

国は公的な支援金や義援金だけでは住宅を再建するのには十分な金額ではないと認識しています。

 

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公的な支援を拡充するのは限界があるとして、保険や共済に加入するなど「自助」の備えが重要だとしています。

 

 

生活再建に継続的なケアを

 

備えをしていたとしても生活を再建するのは簡単ではありません。

 

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特に高齢であればあるほど経済的な負担だけでなく精神的にも身体的にも大きな影響を与えます。

 

被災した人1人ひとり、置かれている状況は異なります。

 

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生活再建のために必要としている支援は何なのか。被災者の声を丁寧にくみ取り、継続的にケアしていくことが求められていると思います。

 



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山形局記者 | 投稿時間:16:14