働き盛りの40代。
そんなときに、突然、病気や事故で体が不自由になってしまったらどうしますか?
“まさか自分が…”
“これからどうすればいいんだろう”
そんな考えが頭をよぎるでしょう。
その一方で…
“回復したい”
“また働きたい”と願う人も。
その願いにこたえたいと動き出したある介護事業所を取材しました。
若い患者のリハビリ“課題”
50歳以下の人に起きる脳出血や脳梗塞などは「若年性脳卒中」とも呼ばれています。
山形県内で最も多くの脳卒中患者を受け入れている山形市立病院済生館によりますと、こうした若い脳卒中患者から病院に寄せられる相談で最も多いのは…
“仕事に戻りたい”
“後遺症はどれくらいで回復するのか”
“仕事をするために必要な能力はまた戻るのか”
こういった社会復帰を望む声だということです。
また、患者が主に家計を支えてきたという場合は、家族から、今後の生活を不安視する声も寄せられているそうです。
担当の医師によりますと、十分なリハビリが提供できれば、筋力が萎縮するのを防いだり、心肺機能を高めたりする効果もあるということです。まひがあっても自力でできることが増えたり、個人差はあるものの、まひの改善につながったりする可能性もあるということです。
その一方で、病院も含めて十分なリハビリを提供しているところが少ないのが現状だと言います。言語障害がある場合は、そのリハビリも必要となりますし、大きな課題となっています。
“中途障害”の人にも
映像でご紹介した小松さんのような40歳以上の脳卒中患者であれば、介護保険が適用され、介護事業所を利用することができます。
それ以外の人は障害福祉サービスを利用することになりますが、
天童市の事業所のように「機能訓練(自立訓練)」を提供している障害者のための事業所もまだまだ少ない状況です。
このため、天童市の事業所では、11月1日から脳卒中以外の病気や事故などで障害を負った、いわゆる“中途障害”の人たちを対象にした「障害福祉サービス」の提供も始めました。介護保険サービスと障害福祉サービスの両方を1か所で提供する「共生型サービス事業所」となったのです。
(天童市の事業所を運営する「エミオン」伊藤順哉 代表取締役)
「中途障害の方からは、自分の姿を見られたくなかったり、そもそも行く場所がない、行きたいような場所がないという話をよく伺います。そこから家にひきこもりがちになってしまうと、足腰が悪くなってしまったりとか、病気の改善には至らないということで、こうした場所を望む声は以前からありました。何を目指したいか丁寧に聞き取りながら、前向きにリハビリに取り組める環境を提供したい」
若くして障害を負った人でも、自分の可能性を見つけ、前向きに生きていける社会になるために。このような事業所が増えていくのが、その第一歩になると思います。
山形局記者 | 投稿時間:14:17