新型コロナウイルス“第6波”では、家庭内で感染が広がり、家族全員が感染するケースが出ています。
ことし1月、新型コロナへの感染が判明した家族が当時の症状や不安などを語ってくれました。
“このまま俺も死んでしまうのか”死が頭をよぎる
県内に住む50代の男性とその家族は、ことし1月下旬、新型コロナウイルスへの感染が確認されました。
中には、オミクロン株への感染が確認された家族もいたということです。
50代男性:「やっぱり仕事のことを考えました。職場で仲間と仕事をしているので、そっちで自分が人に迷惑をかけているのかなという感じは常にありました」
家族の中で特に症状が重かったのは50代の男性でした。
感染が確認されてから、38度9分の熱が3日間ほど続き、体の節々には強い痛みがあったということです。男性は死が頭をよぎった瞬間もあったといいます。
50代男性:「もう、はっきり言って起きられないような感じだったんです。それが1番きつかったです。未知の病気なので、自分でどうしたらいいのか。ただ熱が出て苦しいだけで。このまま重症化になって俺も死んじゃうのかなって一瞬考えました」。
また、同居している20代の息子も、のどの痛みが数週間続いたといいます。
20代息子:「のどの痛みが何週間も続いて、声もガラガラになって、やっぱりかぜとかインフルエンザと違ってオミクロンは今までにない。かかった人にしか味わえないつらさが今回味わえた。本当につらいんだと」
痛感した感染力の強さ 家庭内感染防ぐ難しさ
家族が今回の経験で感じたのは、オミクロン株の感染力の強さと家庭内感染を防ぐことの難しさです。
男性の70代母親:「恐ろしさはありました。2階に住んでいる人がPCR検査でコロナってわかったときは、1階でわたしは生活しているのですが、食事を階段のところに置いて、2階から取りに来たりとか、距離は最初のころは置いていました。でも広がってしまった」
50代男性:「結局、家の中にいるということは同じ空気を吸っているので、それに関して新型コロナという病気を防ぐのはちょっと不可能だと思う」
4人で在宅療養の生活 支える支援も
“第6波”では、家庭内で感染が広がるケースが増え、この家族も在宅での療養になりました。
買い物にも行けず、保健所の支援などを受けながらなんとか乗り越えてきました。しかし、外出できない生活への不安で押しつぶされそうになったといいます。
20代息子:「やることもないし、外にも出られないので、寝ているしかなかった。本当にコロナにかかったらこういうつらい思いもある」
また、在宅療養で気をつけなければならないのは、急な症状の悪化です。
家族は、医師による電話での健康観察を毎日受けたことが安心につながったといいます。
50代男性:「先生から電話があって『きょうの体調どうですか?』『熱は何度ありますか?』と電話で問診受けて、気持ち的にも安心できましたし、支えられました」
今回、取材したご家族は2回目のワクチン接種は終えていましたが、3回目の接種はまだで、これから接種する予定だったということです。
ご家族は、70代の女性も含めて
全員が入院するほどの重い症状にはなりませんでしたが、ご家族の証言からも感染力の強さが伝わってきました。
取材に応じていただいたご家族の皆さん、ありがとうございました。
新型コロナウイルスは誰もが感染する可能性があります。
改めて基本的な感染防止対策などを徹底することが、重要だと感じました。
山形局記者 | 投稿時間:16:25