【記者特集】見えてきた要支援者名簿の課題

 

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平成23年の東日本大震災では、多くの高齢者や障害者などが犠牲になりました。

 

これをきっかけに、国は災害時にみずから避難することが難しい高齢者や障害者など「避難行動要支援者」について、平成25年に市町村に対し「要支援者名簿」を作成することを義務づけました。

 

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NHKがことし9月に県内35市町村に調査したところ、すべての市町村で作成されていましたが、名簿掲載の基準に違いがあることもわかってきました。

 

去年7月の豪雨で、この「要支援者名簿」を活用して避難の支援にあたった寒河江市を取材しました。

 

 

県内の市町村では名簿の考え方に温度差があります。

 

寒河江市では本当に支援が必要な人だけを名簿に掲載していますが、1人暮らしになったり、障害者手帳を持ったりと名簿に掲載する可能性がある人は、いつ状況が変わるかわかりません。

このため全員の掲載を目指す市町村もあります。

 

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災害はいつ発生するか予測が難しい一方、そのつど、支援が必要な人の状況を把握するというのは難しいのが現状です。

 

個別の避難計画も民生委員など地域の人たちの協力が欠かせないため作成が思うように進んでいません。

また、支援する人が見つからないケースや支援する人が高齢だという課題もあります。

 

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せっかく名簿作成しても有効に活用されなければ意味がありません。地域の実情に応じて情報共有を行い、いざというときの災害に備えていくことが大事だと感じました。

 



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山形局記者 | 投稿時間:18:50