私たちの生活に欠かせない路線バスですが、鶴岡市では、バス路線の廃止や減便によって、バスの実車走行距離がこの10年で実に3割以上も減っています。
その一方で、高齢化に伴って、運転免許を返納する高齢者が増え、
こうした人たちが不便なく暮らせるよう、移動手段の確保が欠かせなくなっています。
こうした中、「地域の足」を将来にわたって維持していくための模索を続ける、路線バス会社を取材しました。
地方の路線バス会社の経営環境は厳しい状況が続いています。
地方はマイカー社会であることに加えて、人口減少が進んでいることもバスの利用者が減少している大きな要因の1つです。
一方、運転免許を返納した高齢者などが増えているため、バス路線の維持は欠かせません。さらに今後は、バスへのニーズは高まっていくと思います。
現在はバス路線を維持するために、交付条件はあるものの、国や県、市町村などで赤字を一定程度、補填(ほてん)して、なんとか維持されているのが実情です。
しかし、こうした補助金の制度がこれまでどおり続くとは限りません。地方の自治体はどこも人口減少などで税収も厳しくなっているからです。
今回の取材した、桜美林大学の戸崎肇教授も
「これまでどおりに補助金が出る保証はない。『補助金に頼らない』仕組みを各バス会社で作っていくことが重要だ」
と話していました。
バス会社もできるかぎりの努力をしていますが、数ある路線の中でも収支が特に厳しい路線を維持するのは容易ではありません。
バス会社の努力で路線をなんとか維持しようとする、あるいは自治体や地域住民が連携して乗り合いタクシーなど地域の実情に合った
移動手段を確保していく。
こうした連携によって公共交通の空白地帯を生み出さない取り組みがよりいっそう欠かせなくなっていると思います。
山形局記者 | 投稿時間:17:42