【記者特集】どうする?コロナ禍の避難 身近な"あの場所"を駆け込み寺に

 

皆さんは、災害が発生したらどこに避難をしますか?

 

小学校の体育館、地域の公民館、…こうした災害時の避難所では

今、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されています。

 

密集を避ける必要があり、より多くの避難所の確保が課題となっているのです。

そこで今、全国各地の自治体では古くから地域で親しまれてきた

「あの場所」を避難所や一時避難場所に活用しようという動きが広がっています。

 

去年、山形県内でも実際に活用された、その場所を取材しました。

 

 

山形県鶴岡市内で避難所や一時避難場所に指定されている寺や神社の数は、全国で5番目に多いとされています。
(2020年3月 大阪大学大学院・稲場圭信教授の調査より)

 

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全国的に見ると、その数はあわせて2000か所を超えるということです。このうち661か所の寺や神社が自治体と協定を結び、避難所運営の準備を本格的に進めています(2020年3月時点)。

 

新型コロナウイルスの影響などもあり、ことしの春からは自治体と協定を結ぶ寺や神社は増加傾向にあるということです。

 

 

避難所協定を結ぶ寺や神社

 

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たとえば高知市ではことし8月、南海トラフ巨大地震に備え、寺や神社を避難所に指定するための協定を結びました。

また愛知県瀬戸市では、市内14の寺院を一時避難場所として活用する協定を結んだことで、新たにおよそ300人分の避難場所を確保したということです。

 

 

一方で課題も

 

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一方で、寺や神社を避難所として使う際には課題もあります。

寺や神社が避難所として活用される実態を調査する大阪大学大学院の稲場圭信教授は

「寺や神社の中には、かなり歴史があり古い建物もある。地震が起きたときには倒壊するのではないかといった心配もあるため、今後は耐震補強工事をしていくことが重要になる。そのときに行政から補助金が出せると、地域の安心安全にもつながる」

と話しています。


行政と地域が連携し災害に備える社会へ

相次ぐ災害と新型コロナウイルス、どちらにも対応しなければならない今、公民館や学校の体育館など、行政が所有する土地や建物を避難所にするだけでは限界が来ています。

 

寺や神社、またホテルや商業施設など今まで避難所ではなかった場所を、災害時に人の命を守る場所とする動きが加速しています。

 

こうした中で、ただ避難所の数を増やすのではなく、誰もが安心、安全に避難できる環境の整備や物資の準備を、日頃から行政と地域で一体となって進めていくことが必要だと感じています。

いざというときの「駆け込み寺」となる、私たちの避難所について、

いま一度考えてみてはいかがでしょうか。

 



記者特集    

山形局記者 | 投稿時間:18:14