【記者特集】知ってますか?共生社会ホストタウン

 

1年延期された東京五輪~ホストタウンはいま

 

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皆さん、「ホストタウン」はご存じですよね?来年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックで世界から集う代表チームをサポートし、市民との交流を進める自治体です。山形県内では、東北で最も多い15の自治体が登録されています。

 

このうち3つは障害者スポーツを支援していて、政府は、誰もが暮らしやすい町づくりを進める自治体を、特に「共生社会ホストタウン」と名付けて、登録しているんです。

 

いま、その取り組みはどこまで進んでいるのか、登録自治体の1つ鶴岡市を取材しました。

 

 

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このボッチャ。ボールの重さは270グラム程度で、テニスボールよりずっと重いです。私も以前、ボッチャを体験したことがあります。最初は距離感がなかなかつかみにくいですが、コツをつかむと、目標となる白いボールに近づけることはできます。初心者でも、運動神経に自信がない人でも、また、障害のあるなしや年齢に関係なく、楽しめるスポーツだと実感しました。

 

鶴岡市は、県内で唯一、ボッチャのチームを受け入れている自治体ですが、なかなか障害者と健常者が交流する機会が持てていないのが課題です。

 

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こうしたパラ競技の普及を進める「共生社会ホストタウン」。

今月7日現在、全国では88の自治体が登録され、県内では鶴岡市のほかに酒田市と東根市が登録されています。

中でも、さらに先進的な取り組みをしている自治体を「先導的共生社会ホストタウン」と名付けて登録する制度が去年新たにスタートしました。

 

国から重点的に活動費などの支援が受けられることなどがメリットで、全国に13、うち東北地方には3つあります。

その1つ、福島市の取り組みを取材しました。

 

 

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福島市が「先導的共生社会ホストタウン」に登録されたのは3月6日。その1つ前のレベルの「共生社会ホストタウン」への登録は去年12月のことですから、まだまだ歴史は浅いですが、その分、ここ数年で急ピッチに取り組みを進めてきたことがうかがえます。

 

最大の特徴は、おととしの日本選手権の開催を前に、日本のトップレベルの選手を招いて、市民の関心を高めたこと。そのあと、競技を楽しむ機会を増やすため、用具の普及を一気に進めたことが挙げられます。

 

福島市の担当者は、「先導的共生社会ホストタウン」について

「戦略的に勝ち取ったもの」とした上で、「民間企業がバリアフリーを進めるための予算の確保にもつながる」とも指摘しています。

さらに福島県では、ボッチャの競技団体も11年前に結成され、競技の普及やアスリートの育成を進めています。

 

一方、山形県。まだ競技団体はありません。競技団体がない県は、全国で残りわずか。おとなり福島県から、経験やノウハウを学ぶことの意義は大きいと思います。

 

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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、パラリンピックは来年に延期され、当面はボッチャの大会だけでなく関連イベントも開催は難しくなりました。
しかし、延期によって出来た時間を生かして、障害者スポーツの普及に向けた戦略を見直すことはできるはずです。そうした見直しをぜひ進めてほしいと思います。

 

7年前、東京がオリンピックとパラリンピックの開催地に決まったあと、何を大会の遺産として活用していくのか、いわゆる「レガシー」についても関心が高まり、議論や意見が交わされてきました。

 

「共生社会ホストタウン」ということばに込められた理念が大会後もしっかりと根づいていくために、健常者と障害者がともに手を携えさらに工夫を凝らしていくことが求められていると、取材を通して感じました。

 

そして1年後ではなく、その先のことですが、「障害者スポーツ」ということば自体が見直されて、「みんなのスポーツ」を表すようなことばになる日が来てほしいと思います。

 



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山形局記者 | 投稿時間:16:51