飲み込む力が弱くなった人のための“嚥下食”(えん下食)を、
さまざまな調理の工夫で見た目も、味も、より満足度が高い料理にしたいと取り組んでいる料理人が鶴岡市にいます。
延味克士さん。言語聴覚士や管理栄養士などとともに、
地元の旬の食材を使ったえん下食の開発に取り組んでいます。
加齢や病気などで、食べ物が飲み込みづらくなる摂食嚥下(せっしょくえんげ)障害。
全国で120万ともいわれる人たちが苦しんでいます。
障害が重くなるほど、食材を完全にすりつぶすため、料理の見た目がペースト状になりがちです。
延味さんはえん下食を、味だけでなく、見た目や料理の特徴も可能な限り再現できるようこだわり、日々試行錯誤を続けています。
最近では、子ども向けにエビフライやパスタをえん下食にしました。
エビフライは、一度揚げたものをミキサーにかけ、昆布だしと
ゼラチンと一緒に固めなおし、香ばしさを出すために軽く焼いて仕上げます。
味見させていただくと、エビの味わいだけでなく、衣の香ばしさも感じるエビフライでした。
パスタもスプーンですくえる柔らかさなんですが、味は本格的なトマトスパゲッティ!
延味さんたちのチームは、こういった食事ができる場所を町に増やしていきたいと料理人の仲間を増やす勉強会などを行っています。
この4月、えん下食の提供に向けて、新たにフレンチの料理人が試作を始めました。そして、えん下食を広めていく上で課題となっている“調理の手間”を解決すべく、県の水産研究所も立ち上がりました。
鶴岡から広がれ!えん下食
山形局制作 | 投稿時間:10:42