【インタビュー】鶴岡出身の将棋棋士 プロの世界へ!

 

今月、山形県から新たな将棋の棋士が誕生しました。

鶴岡市出身の23歳・岡部怜央(おかべ・れお)四段です。

 

プロの棋士になれるのは、原則として半年に2人だけ。

狭き門をくぐり抜けました。

 

その険しい道のりを支えたのは、岡部さんにとっての「原点」。

岡部さんが幼いころに腕を磨いた将棋教室でインタビューしました。

 

 

岡部さんは鶴岡市出身。

山形県では戦後4人目となる将棋のプロ棋士です。

鶴岡市にある将棋教室で腕を磨きました。

 

撮影中、岡部さんの「恩師」にも再会しました!

 

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鶴岡にある子ども向けの将棋教室の先生、上野伸一さんです。

岡部さんの将棋に向き合う姿が印象的だったといいます。

 

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(上野伸一さん)

「他の子と違うのは一生懸命将棋を指すところ。あとは集中力。他の子は雑談しながら、笑いながらやっているけど、岡部さんは一生懸命でした」

 

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この教室での学びは、今でも岡部さんの大切な経験になっています。

 

(岡部怜央さん)

「強くなれたのは鶴岡の環境。上野先生とかが中心となって、いい環境で将棋を指させてくれたのが本当によかった」

(上野伸一さん)

「そう言ってもらえると大変うれしいです」

 

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岡部さんの転機が「小学生将棋名人戦」でした。

上位入賞者から後のプロ棋士を多く輩出してきたこの大会。

岡部さんは小学6年生のときに準優勝を果たしました。

このとき、岡部さんはインタビューにこう答えています。

 

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(小学6年生のときの岡部怜央さん)

「できればプロになりたいです」

 

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将棋の世界では、段位が四段になるとプロとして認められます。

岡部さんは、16歳でその一歩手前=三段になりました。

プロへの道の最後の関門が「三段リーグ」です。

30人あまりが半年間かけて四段昇段を争います。

プロになれるのは、原則として上位の2人だけ。

この狭き門に、岡部さんは苦戦します。

三段リーグには、5年半を費やすことになりました。

 

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(岡部怜央さん)

「ずっと三段の位置で5年半いたってことで、本当に長かった。10時間以上将棋に向き合った日もありますし、『自分には将棋しかない』というのを言い聞かせるというか」

 

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その岡部さんを支え続けた、ある“もの”があります。

プロを目指すきっかけとなった大会で勝ち取った「駒」でした。

 

(岡部怜央さん)

「小学6年生のときに小学生将棋名人戦でいただいた駒ですね」

(金子)

「きれいな駒ですね」

(岡部怜央さん)

「最初のころはもっと白かったんですけど、使い込んでいくうちに結構黒くなりました」

(金子)

「だとすると、この色にはご自身の努力が詰まっている」

(岡部怜央さん)

「そうとも言えるかもしれない。一緒に戦ってきたって言ったら変ですけど、自分の戦い抜いた証し」

 

去年10月からの三段リーグ。

岡部さんにとって11回目の挑戦です。

開幕から11連勝で勢いに乗ると、そのままトップを守りきり、リーグ1位で四段昇段を決めました。

 

(岡部怜央さん)

「昇段したと決まったとき、本当に体の力が抜けるぐらいほっとした気持ちが大きかったです。家族はとても喜んでくれたと思いますし、すごく心配をかけたと思うので、少しは恩返しっていうか、親孝行ができたかなと思っています」

(金子)

「これからは、プロという違うプレッシャーにも向き合っていかないといけないですね」

(岡部怜央さん)

「自分が棋士になった22歳って年はそんなに若くもないですし、20代のうちが勝負かなと思っています」

 

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これから始まるプロとしての活動。

どう臨むか、文字にしていただきました。

 

(岡部怜央さん)

「『初心』です。将棋を始めたころの教室に来ることができて、本当にいろいろ思い出しました。この気持ちを忘れずに、実力をつけていければと思っています」

 

現在、岡部さんは活動の拠点を東京に置いています。

実際にお会いできたのはインタビュー当日が初めてでした。

お忙しい中でしたが、とても丁寧にお話をしてくださいました。

 

撮影中、鶴岡や山形への思いも語っていました。

みずからの活躍を通して山形の将棋界を盛り上げたい。

将棋教室の後輩たちの指導にも訪れたいとも話していました。

 

途中、岡部さんが盤に向き合う姿の撮影をお願いしました。

実際に駒を並べ、実戦のように動かしてほしいとお願いしたところ、「より動きがある映像を撮れるように」と、駒を大きく動かし、相手の駒を取ったり、取った駒を使ったりと、迫力ある手つきで進めてくださいました。

撮影クルーへの岡部さんのご配慮もあって、さまざまな映像を撮ることができました。

 

私も将棋好きのひとり。

取材・演出・編集と、楽しみながら取り組みました。

これも、2時間余りの収録にも快く対応してくださった岡部さんのおかげです。

本当にありがとうございました!

 

岡部さんのプロとしての公式戦はまだ行われていません。

初対局は5月に入ってからの見込みということです。

しっかり準備したいと話していた岡部さんの目は、「勝負師」の炎が宿るようでした。

万全の状態でデビュー戦を迎えてほしいですね!

 



やままる   

金子峻 | 投稿時間:14:04