お久しぶりです。キャスターの阿部です。
山形といえば全国有数の酒どころ。
山形で暮らし始めてから、すっかり日本酒のとりこになりました。
先日の「やままる」では、そんな「山形の日本酒」についてお伝えしました。
〈動画の配信期間は終了しました〉
国税庁のまとめによると、
日本酒の輸出額は10年前と比較するとおよそ3倍に。
国と地域別にみると1位が香港で、2位は中国。
この2つで、全体の半数近くを占めています。
こうした中、北京で先月、日本酒の販売イベントが行われました。
大盛況だった会場とオンラインでつなぎ、
現地の反応を取材しました。
この日本酒イベントで最も人気を集めたのが、
なんと米沢市にある酒蔵。
支持を集めた理由は何なのか、そのわけを取材しました。
国内での消費が伸び悩む中、
日本酒の消費が増え続ける中国に目を向けたといいます。
かつてこの酒蔵での酒造りは「辛口」中心でしたが、
中国人が好むのは「甘口」。
そこで工夫したのは発酵の工程でした。
発酵にかかる時間は、およそ1か月。
糖分を多く残すため、いつもより早く発酵を終わらせる必要があったそうですが、
当時としては初めての試みに苦戦したそうです。
試作を重ねること10回以上。
ようやく中国向けの日本酒が出来上がりました。
さらに、味わいだけでなくネーミングにも工夫が。
中国人にもなじみのある漢字の4字熟語を100以上リストアップし、
長寿を意味する「鶴寿千歳」(かくじゅせんざい)という名前に決定しました。
「縁起がよさそう」「音の響きがいい」などという理由から人気を集め、
今回のイベントに出品した日本酒の中で、最も売り上げをのばしたそうです。
この酒蔵は、去年中国で行われた日本酒の品評会に参加。
3つの銘柄の日本酒が金賞を受賞し、酒蔵としても審査員特別賞に選ばれました。
ただ、県内全体の状況を見ると、
現在51ある酒蔵のうち、24が中国向けの輸出をしています。
10年前に比べると実に10社以上増えていて、
今後も増えていくことが予想されます。
輸出競争が激しさを増す中、
それぞれの酒蔵の工夫や努力で、
おいしい山形の日本酒を中国にも広めていってほしいと思います。
阿部千明 | 投稿時間:17:45