「長い歴史に幕 山形市の老舗模型店」

 

山形市の老舗といえるプラモデルの専門店「シバタモデル」。

創業71年となる5月の末に閉店することが決まりました。

 

 

「シバタモデル」があるのは、山形駅前。

店先のショーケースには、

一大ブームを起こした歴代のガンダムに、戦車など走行車両、子ども心に火を付けるプラモデルの完成品がずらりと並んでいます。

 

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店の中に入ると、ところ狭しとプラモデルが積み上げられ、

その数はお店の人もわからないそうです。

 

プラモデルは、戦車や装甲車、軍艦、自動車、城郭や寺社建築模型に鉄道模型も豊富に取りそろえています。

さまざまな塗料や専門的な工具も手に入れることができ、県外から訪れる人もいるほどでした。

 

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これまで、その店を支えてきた社長の柴田士朗さん。

柴田さんは高校卒業後、父が創業した店に働き始め、それ以来、

ずっとこの仕事一筋でした。

過去を振り返るとバブル全盛のとき、もうびっくりするような売り上げが出たことがあったそうです。

 

柴田さんにはこの仕事で大切にしてきたことがあります。

それは、常にお客の質問に答えることができるようにプラモデルの最新情報を頭に入れたり、専門工具の使い方にも習熟するようにしたりしてきたことです。

特に、専門工具は、手にとって使い方を説明することが店を構えることの意義だと考えてきたそうです。

 

人生のほとんどを店と共に歩んできた柴田さんですが、

71歳と高齢になり、ことし5月末、店を閉じる決断をしました。

この決断について、柴田さんは山形のプラモデルを愛する人たちに「迷惑をかけるような状態になり、がっかりしている。」

と話しています。

 

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閉店を惜しむ人を取材しました。

小学生のころから、『シバタモデル』に通う斎藤裕也さんです。

 

斎藤さんは、今もプラモデルが趣味ですが、

初めて店を訪れたときのことを今でも鮮明に覚えていて、

「店に入る前に、目の前にプラモデルの完成品が陳列されていて、とてもときめいた」

と話してくれました。

 

斎藤さんは現在、息子の悠磨くんと一緒にプラモデルを作るようになり、共通の趣味を与えてくれた『シバタモデル』に対して

「感謝しかない」と話していました。

こうした「シバタモデル」のファンが山形にはたくさんいるのではと思いました。

 

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閉店まで2か月あまり、店内には名残惜しむ客の姿も見られるようになりました。

最後に、柴田さんがこれまでを振り返って、自分の仕事について語っていたことばが印象に残りました。

「例えば、フェラーリという車自体は高価でなかなか買えないじゃないですか、でも模型なら買って自分なりに夢を見て、遊べる。やめるときに言うことばじゃないかもしれないけど、限りなく夢のある仕事だと思う。」

店の歴史はまもなく幕を下ろしますが、『シバタモデル』が発信したプラモデルの文化はファンの心に残り続けると、取材を終えて感じました。

 



やままる  

山形局映像グループ | 投稿時間:17:38