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2018年1020日放送 午後900分~NHK-FM

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『同級生!』

原案:佐藤杏樹、清司麗菜、日下部愛菜

脚本:北阪昌人

★参考:のりちゃん、ナルホド

出演

佐藤杏樹、清司麗菜、日下部愛菜、山寺宏一

あらすじ

ここは、新潟市にあるNGT高校。同じクラスの麗菜、愛菜、そして、佐藤は幼稚園の頃からの幼なじみ。佐藤は世界一のコメを作ること、麗菜は世界一の大道芸人、愛菜はパリで洋服の勉強と、それぞれ大きな夢を持つ三人。ある日の放課後、一人暇を持て余した佐藤は、バイトに向かった麗菜と愛菜の様子を見に行く。そこで、いつもとは違う姿の麗菜と愛菜を目撃した佐藤は、二人を異性として意識し始める。一方、麗菜と愛菜も佐藤のことを意識し始めて…。

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、新潟市にある、NGT高校。同じクラスの、麗菜、愛菜、そして佐藤君は、いつものように仲良く、三人で歩いています。


佐藤君:なあ、今日も学校終わったらさ、イタリアンか、カレーラーメン、食いに行こうぜ。

麗菜:あ、あたし今日、バイト。

愛菜:あたしも、バイト。

佐藤君:なんだよ、つまんねえなあ。

麗菜:ねぇ、そういえば、佐藤君は、卒業したら、どうするの?

佐藤君:ん? オレ? オレは決まってるっしょ。農業だよ。米づくり。いいコメつくって、世界に羽ばたくんだ。

愛菜:世界に?

佐藤君:これからは、世界がマーケットなんだよ、世界が。

麗菜:すごいね、ちゃんと目標が決まってて。

愛菜:麗菜は、決まってないの?

麗菜:あたしは・・・

麗菜:あたし、清司麗菜は、ほんとうは大道芸人になりたかった。路上で、アクロバテイックなパフォーマンスをしたい。世界といえば・・・ロシアに行きたい。いつか、ロシアのサーカス団に入って・・・。そのために、お金を貯めていた。

佐藤君:愛菜は、どーなんだよ。

愛菜:あたし? あたしは・・・

愛菜:あたし、日下部愛菜は、裁縫が得意。自分がデザインした服をつくってみたい。世界といえば・・・やっぱり、フランス。いつか、パリで勉強をして・・・。そのためにお金を貯めている。

佐藤君:なんだよ、二人とも、目標なしかよ。ぼっーっと生きてんじゃねえーよ! オレたちの未来は、明るいんだ。なんていっても、世界が舞台なんだから!


ナレーション:幼馴染で同じ幼稚園、そこからNGT高校までずっと一緒だった、佐藤君、麗菜、愛菜の三人。この仲良し三人組の関係が、微妙に壊れていくことを、まだ、彼らは、知りませんでした・・・。


ナレーション:放課後、バイトに向かった麗菜と愛菜。一人暇を持て余した佐藤君は・・・


佐藤君:麗菜に愛菜、ちゃんとバイトしてるか、ちょっくら見に行くか。


ナレーション:まず、向かったのは・・・麗菜がバイトしている体操教室。彼女は、子どもたちに、体操を教えていたのです。


麗菜:はい、みんな! でんぐりがえし、やりますよ! まずは、先生がお手本、見せるからね! それ!

佐藤君:麗菜・・・なんか・・・一生懸命で、なんか・・・可愛い・・・。ほっぺが、キュートだぜ。


ナレーション:今度は、愛菜のバイト先に向かった佐藤君。愛菜は、洋服売り場で、働いていました。


愛菜:お客様、こちらのジャケットなら・・・こっちの、パンツが、合うと思いますよ。

佐藤君:お客さんの好みに合わせて、洋服を選ぶ愛菜・・・。なんか、いつもと違う表情・・・素敵だ、なんか美人だ。


ナレーション:いつもとは違う二人の姿を見て、佐藤君は、なんだかドキドキしてしまいました。


佐藤君:やべえ、オレ。・・・惚れてまうやろ~!


ナレーション:バイトが終わった麗菜と愛菜は、携帯で連絡を取り合っています。


(メールのイメージ)
麗菜:ねえねえ、愛菜、

愛菜:なに? 麗菜、

麗菜:あしたの朝、学校行く前に、佐藤君の田んぼ、見に行かない?

愛菜:いいね。


ナレーション:翌朝、麗菜と愛菜は、佐藤君が作業をする田んぼを訪ねました。朝陽を受けて、キラキラと光る稲穂の中に、一心不乱に働く佐藤君の姿がありました。


麗菜:佐藤君の、たくましい、腕・・・知らなかった。

愛菜:佐藤君の、真剣な表情、素敵かも・・・。

麗菜:な、なんか、めっちゃ、忙しそうだね。

愛菜:だ、だね、

麗菜:声、かけるの、申し訳ないから、

愛菜:が、学校、行こっか。

麗菜:だね。


ナレーション:その日の放課後。いつものように、校門を出た3人ですが・・・。


佐藤君:あ、あれだな、その、

麗菜:な、なに?

佐藤君:いや、その、

愛菜:なんか、あれだよね、

佐藤君:なに?

愛菜:い、いや・・・。


ナレーション:初めて、お互いを意識してしまった3人は、少しぎこちない様子です。


麗菜:今日は、その、あれ、バイト、ないけど、

愛菜:あ、ああ、あたしも、ないけど、バイト、

佐藤君:お、おう、そっか、オレも・・・まあ、暇、だけど、

3人:は、はは。

佐藤君:食いに、行くか? イタリアンか、カレーラーメン、

麗菜:い、いいね、

愛菜:行こうか・・・。

佐藤君:だな。

佐藤君:やべえ、麗菜と愛菜、いい香りがする、シャンプーか? シャンプーの香りなのか? そういえば、クラスのやつらが、麗菜と愛菜とつきあいたい、って騒いでたなあ・・・子どもっぽいし、どこがいいんだと思ってけど・・・。

麗菜:な、なに?

佐藤君:へ? 何が?

麗菜:いま、ぼーっと見てなかった? あたしのこと。

佐藤君:み、見てねえよ、なんだよ、それ、麗菜のほっぺなんか見てねえし。

麗菜:はぁ!?

愛菜:ほ、ほっぺ?

佐藤君:愛菜の髪が綺麗だとか、全然、見てねえし。

愛菜:か、髪!?

佐藤君:い、いやいや、なんでもねぇ!! なんでもねぇよ!

麗菜:何言ってんの? へ、変な佐藤君。

佐藤君:どうしちまったんだ、オレ。二人を見て、ドキドキしてる。オレ、どうなっちまったんだ?

麗菜:ドキドキ、していた。佐藤君の視線を感じて、ドキドキしている自分がいた、恥ずかしくて、つい、あんなことを言ってしまった。

愛菜:佐藤君が麗菜を見ているだけで、胸がきゅんとなった。なんなの、これ、もしかして、もしかしてこれが、嫉妬? 嫉妬なの?

3人:はははは。


ナレーション:3人のぎこちない関係が続いたある夜、麗菜がバイト帰りでバスを待っていると、


愛菜:あ、麗菜、

麗菜:愛菜、

愛菜:今、帰り?

麗菜:うん、いま、帰り、

愛菜:・・・体操教室?

麗菜:うん。体操教室。愛菜もバイト?

愛菜:そう。

麗菜:愛菜は、いつも私服のセンスいいから、ぴったりだね。

愛菜:ほんと? そんなふうに言ってくれるの、うれしい。麗菜も、運動神経いいから、合ってる。

麗菜:ありがと。

麗菜・愛菜:・・・あのね!

麗菜:なに?

愛菜:いや、麗菜、なに?

麗菜:佐藤君ってさ・・・・けっこう、モテるらしいよ。

愛菜:そう、なんだ・・・。

麗菜:・・ほかのクラスの子が、言ってた。

愛菜:・・そう、なんだね。

麗菜:優しいし、

愛菜:よく見たら、イケメンだし、

麗菜:ウチらいっつもつるんでたけど、

愛菜:あんまり、そんなふうに、見なかったよね。

麗菜:まさか、

愛菜:え?

麗菜:愛菜、好きになったの? 佐藤君のこと。

愛菜:え? えええ? ま、まさか、ないない、だって、ウチら友達じゃん、親友じゃん、幼なじみじゃん。

麗菜:そ、そうだよね。でも、

愛菜:でも?


ナレーション:そのとき、ひとつの影が近づいてきました。


佐藤君:よう、お二人、おそろいで。

麗菜・愛菜:さ、佐藤君!

佐藤君:ってびっくりしすぎだろ。なに話してたの?

麗菜:・・・悪口、

佐藤君:へ?

愛菜:そう、佐藤君の悪口。

佐藤君:なんだよ、それ。ひでえなあ。

麗菜:ばか。

佐藤君:え?

麗菜:佐藤君の・・・ばか。

佐藤君:って、おい、麗菜、どこ行くんだよ、おい、バス来たぞ! 乗んねえのかよ!

愛菜:・・・麗菜・・・。

佐藤君:なんだよ、あいつ、変なやつ。


ナレーション:バスに乗り込む、佐藤君と愛菜。二人は、隣同士に座りました。


佐藤君:やべえ、またいい香りだ、愛菜の髪、綺麗だなあ、なんで今まで気づかなかったんだろう。

愛菜:佐藤君の肩が、私の肩に触れる。なんで今まで、気づかなかったんだろう、佐藤君って、カッコいい。

佐藤君:もうすぐ、学園祭だな。

愛菜:だね。

佐藤君:ウチのクラスの出し物、ロミオとジュリエットってマジかよ。

愛菜:ロミオ役、佐藤君で決まりだって、女子が言ってるよ。

佐藤君:ええ? マジで? めっちゃ恥ずかしいんですけど。

愛菜:あたし、ジュリエット役、立候補しようかな。

佐藤君:え?

愛菜:ううん、なんでもない。あ、佐藤君、

佐藤君:ん?

愛菜:これ、まだ麗菜にも言ってないんだけど、

佐藤君:ああ、

愛菜:あたしね・・・

佐藤君:ああ、

愛菜:あたし、いつか、お洋服の勉強をするために、パリに行きたいって思ってるんだ。

佐藤君:そっか・・・いいね、パリか・・・いいよ。愛菜に合ってるよ、がんばれ! 応援してるぜ。

愛菜:ありがとう! あたしも、応援してる。佐藤君の夢。

佐藤君:おう! 頑張るよ。世界一のコメ、作って見せる。新潟のコメがすげえってこと、世界に伝えたいんだ!

愛菜:佐藤君なら、できると思う。

佐藤君:そういえばさ、

愛菜:なに?

佐藤君:昨日、麗菜と屋上でばったり会ってさ、そこで聞いたんだけど、

愛菜:麗菜と?

佐藤君:あいつは、ロシアのサーカス団に入るんだってさ、

愛菜:ロシア? サーカス?

佐藤君:世界一の大道芸人になるのが夢なんだってさ。

愛菜:そ、そうなんだ・・・。

佐藤君:みんな、かなうと、いいな。夢。

愛菜:・・・だね。

愛菜:ショックだった・・・。麗菜は、あたしより先に佐藤君と二人の時間を持っていて、夢を打ち明けた。・・・でも、あたしだって、今、麗菜より先に、佐藤君に自分の夢を話している・・・。

愛菜:次で、降ります・・・私は、ブザーを押した。


ナレーション:1週間後、3人の姿が、屋上にありました。秋晴れの空は、真っ青で、雲ひとつありません。佐藤君が、麗菜、愛菜を、呼び出したのです。


麗菜:なに?

愛菜:いきなり呼び出すなんて、珍しいね、

佐藤君:あ、いや、その、

麗菜:ドキドキしていた、

愛菜:まさか、佐藤君、

麗菜:あたしたちのどちらかが好きとか、告白、するの?

愛菜:どうしよう、麗菜が好きだとか言われたら、あたし、

佐藤君:いきなり呼び出して・・・すまん。あのさ、実はその、オレ、このところ、おかしくて、その、麗菜と、愛菜が、なんか綺麗だなあって思えてきて、今まで、気づかなかったんだ、二人の魅力。で、いろいろ考えたんだけど、

麗菜:くるの? ねえ、くるの?

愛菜:告白、タイム?

佐藤君:オレは、これからも、この3人で仲良くいたい。なかなかないと思うんだ。こういう関係。だから大切に、したい。好きだとか、つきあうとかなっちゃうとさ、壊れるだろ、関係が、オレ、嫌なんだ、お互いがおじいさん、おばあさんになるまで、仲良く、いたい。だから、気持ち、切り替える。・・・だから、今までどおり、よろしく!

麗菜:どこか、さみしく、どこかホッとしている自分がいた。

愛菜:急に、魔法が解けたような気がした。

麗菜:そうだね、ずっと、3人、

愛菜:仲良くしていこう。

佐藤君:なにより、夢を、かなえようぜ。

麗菜:だね。

愛菜:そうだね。

麗菜:もしかしたら、またこの関係が壊れそうになるかもしれない。

愛菜:そのときは、そのときで考えればいい。

佐藤君:あああ、気持ちいい午後だなあ、な、授業、サボって、海、見にいかないか?

麗菜・愛菜:私たちは、今までも、これからも、同級生!

収録後のワンショット

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