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2018年519日放送 午後900分~NHK-FM

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『タスキをつなげ!』

原案:田口愛佳、矢作萌夏、鈴木くるみ、庄司なぎさ、前田彩佳

脚本:北阪昌人

★参考:ライラ、みつひこ

出演

田口愛佳、矢作萌夏、鈴木くるみ、庄司なぎさ、前田彩佳、山寺宏一

あらすじ

今度のAKB駅伝大会で優勝できなければ解散が決まってしまうキャプテン・田口愛佳率いるわずか5人の駅伝部。メンバーは、自分に厳しすぎる前田彩佳、ダンスが好きすぎる鈴木くるみ、怖がりな庄司なぎさ、そして圧倒的にやる気がない副キャプテンの矢作萌夏。放課後の練習でも、まとまりのない駅伝部の様子に田口はキャプテンとしての自信を失くしてしまい…。果たして駅伝大会で、彼女たちはタスキをつなぐことができるのか!?

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、東京秋葉原にある、とある女子校。駅伝部の主将、田口愛佳が、監督に、呼ばれました。


田口:田口です!

監督:おお、田口か、入れ!

田口:監督、お呼びでしょうか?

監督:ああ、田口、おまえを呼んだのは・・・ほかでもない。うすうす、感じていただろう、ここに呼ばれた理由を。

田口:はい。あれですよね、私の大好きなメロンパンをたっくさんごちそうしてくれるため!

監督:そうそう、たくさんお食べ。でも、なんでメロンの味がしないのに、メロンパンっていうのかな? ってちがーーう! そうじゃない!

田口:すみません。

監督:我が駅伝部も、いよいよ、終わりのときがきた。

田口:え? 終わり?

監督:どんどん部員も減ってしまって、わずか五人になってしまった。自分に厳しすぎる、前田彩佳!

前田:ああ、ダメダメ、私はとことん、ダメだ。こんな走り方じゃダメだ、こんな変顔してちゃダメだ、唐揚げばっかり食べてちゃ、ダメだ!

監督:ダンスが好き過ぎて、踊るように走る、鈴木くるみ!

鈴木:あああ、ダンス、大好き! ああ、走るように踊り、踊るように走る! 私にとって、駅伝は、ダンス!

監督:怖がりな、庄司なぎさ!

庄司:大丈夫かな、走ってるうちに、お腹が痛くなったら、どうしよう。大丈夫かな、走ってるとき、犬が追いかけてきたら、どうしよう。大丈夫かな、走ってる横を、幽霊が走っていたら・・・うわああああ、どうしよう!

監督:そして、副キャプテンの矢作萌夏は、圧倒的に、やる気がない!

矢作:だりぃ、マジ、だりぃ、やる気、でねえ・・・。疲れるの、マジかんべん。ああ、だりぃ・・・。

監督:今度のAKB駅伝大会で、優勝できなかったら、我が駅伝部は、解散だ! いいな!

田口:いやだ・・・私は、駅伝が好き。みんなとタスキをつなぎたい!


ナレーション:さて、放課後のグランド。ダラダラと、走っている駅伝メンバーがいました。


矢作:ああ、だりぃ、マジ、だりぃ、

田口:ちょっと、もえか!

矢作:なに? まなか。

田口:もうちょっと真剣に走れないかな?

矢作:おんなじところをグルグル、走るの、退屈なんだよね、ああ、だりぃ。

田口:そんな走り方じゃ、今度のAKB駅伝で優勝できないよ!

矢作:え? えええ? あはははは、まさか、まさかあれだよね、まなか、マジで言ってないよね? 優勝? できるわけないじゃん、あたしらに、あはははは。

田口:正直、キャプテンとしての自信を失くしていた。

田口:ほら、くるみ! もっと真剣に走って!

鈴木:ああ、楽しい、踊るように走るって、楽しい!

田口:ちょっと、なぎさ、どうしたの? お腹、痛いの?

庄司:いや、お腹が痛くなったらどうしようって心配してたらほんとうにお腹が痛くなったような気がしてきて、それでお腹をおさえていたら、ほんとうにお腹が痛くなってきた。

田口:そこ、追い込まなくていいから。自然で、いいから。あれ? あやか?

前田:ダメダメ、あたしって、ほんとダメ、

田口:なんで自分の頭をポカポカ叩いてるの?

前田:タイムが落ちてる・・・あたし、アンカーなのに、いちばん、頑張んなきゃいけないのに、ダメ、あたしって、ほんと、ダメ。

田口:あやかは、自分に厳しすぎるんだよ。あのね、雨が降るのは、誰のせい? 乗ろうとした電車のドアが目の前で閉まるのは、誰のせい? 自転車のチェーンがいきなりはずれるのは、誰のせい? 世の中にはね、仕方ないことっていうのが、あるの。自分に甘いのも、よくないけど、自分に厳しすぎるのも、よくない。あやかの走り、あたし、好きだよ。綺麗だし、カッコいいし、タイムだって悪くない。

前田:ダメよ~ダメダメ。まなかは、私に甘いから。

田口:甘くないって。

前田:あたし・・・やめようかな、駅伝部。

田口:え?

鈴木:あたしも・・・やめようかな、ダンスのレッスンに通ったほうが良さそうだし。

庄司:あたしも・・・やめようかな、駅伝部。弱いしね、勝てっこないし。

矢作:だね、だりぃしねえ。やめようか。

田口:みんな・・・そうなんだ、そうなんだね、じゃあ・・・じゃあ、やめれば・・・いいじゃん・・・そんなに嫌ならやめればいいじゃん!! もう、みんな、大嫌い!!

四人:まなか!!


ナレーション:雨が、降ってきました。まるで田口愛佳が、泣いているような、雨が・・・。


ナレーション:あやか、くるみ、なぎさ、もえか、の四人は、なんとなく後味が悪く、まなかの家を訪ねました。


まなかの父:はーい。

まなかの父:ああ、キミたちは、あれだな、駅伝部の、

前田:あ、あの、

まなかの父:はい?

鈴木:まなかさんは?

まなかの父:ん? いつもの神社だと思うけどねえ。

庄司:いつもの、神社?

まなかの父:あの子はねえ、学校から帰ってくると、どんなに疲れていても、裏の神社に行くんだよ。雨が降ろうが、雪になろうが。

矢作:願掛け、でもしてるのかな。

まなかの父:まあ、行ってみてください。いつも、まなかと仲良くしてくれて、ありがとうねえ。


ナレーション:四人は、田口の家の裏山にある、神社に向かいました。境内までは、急な階段が、果てしなく続いています。


田口:(息遣い荒く、走っている)


ナレーション:雨の中、ずぶ濡れで階段を走る、田口愛佳の姿がありました。


前田:まなか・・・。

鈴木:走ってるね・・・。

庄司:休んだりしない・・・。

矢作:降りたら、また・・・のぼる。


ナレーション:四人は、田口に声をかけることができませんでした。ただ、黙々と、走る彼女の姿に、感動していたのです。


前田:すごいね・・・。

鈴木:うん、すごい。

庄司:あたし・・・家まで走って帰る。

矢作:あたしも。

前田:じゃあ、あたしも。

鈴木:・・・走る、家まで、走る!


ナレーション:そうして迎えた駅伝大会当日。5人は円陣を組みながら話していました。


田口:みんな・・・ありがとう。AKB駅伝、一度はもう出られないかと思った。でも、みんなが必死に練習につきあってくれて・・・。あたしね、ここまで来たら、やっぱり、五人で優勝、したいんだ。

前田:やれるよ。

鈴木:そうだよ、いっぱい練習したんだから。

庄司:負ける気がしない。

矢作:高校生活、最後だしね。

田口:ありがとう・・・たよりないキャプテンで、ごめんね、みんな。

前田:そんなことない、まなかは・・・まなかは、最高だよ。

鈴木:なんだかもう優勝したみたい。

庄司:走ろう、

矢作:みんなでタスキを、つなごう!

五人:おう!!

田口:もちろん、勝ちたい・・・でも、私は青くて広い空を見上げて思った。もうすでに・・・私たちは、勝った。私たちは・・・人生で一度しかつなげないタスキを、つないだ。

田口:いくよ~!!

四人:イエイ!!

収録後のワンショット

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