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2018年421日放送 午後900分~NHK-FM

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『女子力の神様』

原案:吉田朱里、渋谷凪咲、太田夢莉

脚本:北阪昌人

★参考:みーこ、ミヨ

出演

吉田朱里、渋谷凪咲、太田夢莉、山寺宏一

あらすじ

女子力の神様と言われているアカーリン吉田。そんな彼女の事務所にやってきたのは売り出し中のカリスマモデル、ユーリとマネージャーの渋谷。渋谷は旧知のアカーリンに、ユーリの女子力をあげてもらうように頼む。クールな態度のユーリの中にもえたぎる欲望を感じたアカーリンは、渋谷の頼みを聞き入れる。果たしてユーリは、女子力をあげることができるのか?!

人物相関図

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ナレーション:ここに、女子力のカリスマ、女子力の神様と言われる、女性がいた


アカーリン:女子力、ですか? そうですねえ、まあひとことで言えば、

アカーリン:自分をもっと高めたいっていう、欲望のことです。


ナレーション:その女性の名は、アカーリン吉田。そのあふれんばかりの女子力の爆発力はすごく、ひとは、彼女をこう呼んだ。


ナレーション:女子力おばけ。


アカーリン:自分の、真の欲望に気づくこと! それが最初の一歩!


ナレーション:そんなアカーリンの事務所は、大阪なんばにあります。今、その事務所があるビルに、二人の女性がやってきました。ひとりは、今売り出し中のカリスマモデル、ユーリ。


ユーリ:ああ、ダルい。なんでこのビル、エレベーターついてへんの?


ナレーション:もうひとりは、ユーリのマネージャー、渋谷。


渋谷:まあそういわんと、ほら、がんばって、あと一階!

ユーリ:あたし、別にアカーリンに会いたくないんやけど。

渋谷:ええから、まかして。


ナレーション:ようやく、アカーリンの事務所の前までやってきた、ユーリと、渋谷。


アカーリン:はい、どうぞ。

渋谷:お電話した、渋谷です。

アカーリン:久しぶりやねえ、しぶちゃん。

渋谷:覚えていて、くれたんですか?

アカーリン:忘れるわけないやろ、今、私がこうしてあるのんは、全部、しぶちゃんのおかげやから。

渋谷:いや、とんでもないです。

アカーリン:で?

渋谷:はい?

アカーリン:今日は、私に何の用?

渋谷:はい、このユーリの女子力を、ぜひあげていただきたいんです。

アカーリン:この子の?

渋谷:はい。

アカーリン:見たところ、めっちゃ美人やんか。私の出る幕もないような、

渋谷:それが・・・全然、ダメダメなんです。女子力がない女性は、同性にも好かれません。お願いします。この子の将来のために、ぜひ!

アカーリン:で、あなたは、あげる気、あんの? 女子力。

ユーリ:別に、あたしは、今のままで、

アカーリン:今のままでええと思てんの?

ユーリ:別に、売れなくても、

渋谷:ちょっとユーリ!

アカーリン:面白い。ええわ、なんかあんたの目、ええわ。その、クールな中に、もえたぎる欲望。OK、しぶちゃん。この子、私にまかせて。

渋谷:ありがとうございます!


ナレーション:果たして、モデルのユーリは、果たして女子力をあげることができるのでしょうか?


アカーリン:あんた、

ユーリ:はい、

アカーリン:ウチの事務所に来るとき、ああ、なんで階段のぼらなあかんねんやろうなあって、思ったやろ?

ユーリ:思ったけど、

アカーリン:私は、エレベーターが着いていないビルをわざと選んだの。

ユーリ:は? 意味わかんないんですけど。

アカーリン:女子力ってねえ、表面的なテクニックではどうにもならへんの。

渋谷:女子力とは、日々の生活に根差すもの!

アカーリン:ありがとう、しぶちゃん、

渋谷:先生のフォトブック、買いました!

アカーリン:人間っていうもんは、ほっといたら、楽なほう、楽なほうに流されてしまう。ああ、眠い、つらい、お腹すいた。

ユーリ:自分の欲望に忠実なんが女性力なんじゃないですか?

アカーリン:違う違う、ちがーう!そんな当たり前の欲望なんか、どうでもええんや!

ユーリ:ほんまにこのひと、女子力あるんかいな。

アカーリン:自分の欲望を果たすのんと、楽なほうに逃げるんとは、360度、違うんや。

ユーリ:あ、一周まわってもうた。

渋谷:180度。

アカーリン:そうそう、180度、違うんや。私がもし、女子力おばけと呼ばれるほどになったんやとしたら、それは、日々の努力を続けてるから。あの日本人メジャーリーガーさんも言うてはるで。「練習一日休んだら、取り戻すのに、一か月かかる」女子力もそうなんや。一日サボったら、失った女子力取り戻すのに、一か月かかる。

ユーリ:そんなメンドクサイのやだ。

渋谷:ユーリのアホ!

ユーリ:渋谷さん、

渋谷:メンドクサイのやだとかいうててええのん? 日本一、いや世界一のモデルになるんちゃうの?

ユーリ:それは・・・。

渋谷:アカーリンさんのところに、明日から毎日、通いなさい。

ユーリ:ええ?

渋谷:私が、「もうええ」と言うまで。

アカーリン:しぶちゃん、あんた・・・本気なんやな。

渋谷:せんせ、よろしゅう、おたのみもうします!


ナレーション:早速、アカーリンの特訓が始まりました。


ユーリ:出来立てのタコ焼きを食べる!??

アカーリン:さあ、ひとくちで、食べてみ。あ、よい子のみんなは真似したらあかんよ。さあ、ユーリ!

ユーリ:え? これ、ひとくちで?

アカーリン:そや。

ユーリ:あ、熱い、熱い! はふはふ~!

アカーリン:体で覚えるんやで。

ユーリ:な、なにを覚えるん?

アカーリン:ええか、タコ焼きちゅうもんは、外は意外に熱くない、表面も意外にしっかりしてる、しかーし、中は、めっちゃ熱い! とろとろで柔らかい! これや! これが女子力なんや! 見かけから、ふにゃふにゃの柔らかさではあかん、中身が大事なんや。一見強そうに見えて、実は、ナイーブでしなやかで熱いハートを持ってる。とろとろに柔らかい、タコ焼きの中身のように! これや、これが女子力やで!

ユーリ:なるほど・・・いや、全っ然わからへん!


ナレーション:ある夜、特訓を終えると、アカーリンは、ユーリを、寄席に連れていきました。


アカーリン:みんな笑ろてはるやろ?

ユーリ:はい。

アカーリン:あっちのおばちゃん、見てみ。

ユーリ:はい。

アカーリン:まあまあ、ええ感じに歳とってるけど、どや、ええ顔してるやろ?

おばちゃん:あははははっはは、なアホな~、もう勘弁してぇ、笑い死ぬわ~、あはははっは。

ユーリ:めっちゃ笑ろてます。めっちゃ・・・キラキラしてます。

アカーリン:笑顔、これや、ひとを輝かすもんに、笑顔にまさるもんは、ない。女子力はなあ、いかに笑うかで決まるんや。

ユーリ:私・・・笑うの、得意じゃない。っていうか、なんか、嫌い。

アカーリン:はははは、やっぱりなあ、

ユーリ:は?

アカーリン:思ったとおり、私の若い頃にそっくりや。

ユーリ:え?

アカーリン:私もなあ、昔、笑うってこと、嫌いやった。なんでみんな歯、むき出しにして笑うねん、って思ってた。

ユーリ:アカーリンさんが?

アカーリン:そんなとき、あのひとに会ったんや。

ユーリ:あのひと?

アカーリン:私なあ、昔、クールな自分をもてあまして、売れない芸人しててなあ。あるとき、この寄席で、酔ったお客さんに、「つまらへんぞ! 金かえせ!」って怒鳴られてん。その様子を見てたんが・・・しぶちゃんやった。おせっかいにも、見ず知らずの私に声、かけてくれて・・・。

ユーリ:渋谷さんが?

(回想)
渋谷:あかりさん、あのとき、なんで笑わへんかったの?

アカーリン:え? だって、実際、私のギャグ、スベってたし、

渋谷:ひどい、野次やった。「ひっこめ!」って。でもねえ、あそこで、あんな怖い顔したら、あかん。そこで、笑わな、あかん。

アカーリン:笑う? そんなん、無理や。

渋谷:無理やない。あんたなら、できる。ええか、笑顔が、ひとの笑顔を呼ぶんや。怖い顔したら、みんな怖い顔になる。単純なことなんや!

ユーリ:渋谷さん・・・いったい、なにもん?

アカーリン:あのひとなあ、あんなまんまる顔してるけど、実はなあ、クールにひとを見てるんや。だってなあ、趣味は、スイカ割りやで。

ユーリ:え? そ、そうなん?

アカーリン:一回見たことあるけど、かなり気合入ってるでぇ。

(イメージ)
渋谷:そこか? いや、そこか? ふふふ、私の目はごまかせんぞ、スイカ! おりゃああああああ、そこだ!!!!

ユーリ:ひぇぇぇぇ!

アカーリン:こっぱみじん。まあ、食べやすかったけどなあ。


ナレーション:アカーリンとユーリは、道頓堀を、歩きながら話しました。


アカーリン:そんなしぶちゃんが、見込んだんや。ユーリ、あんたなら大丈夫、ぜったい、ビッグになる。

ユーリ:別に私は・・・。

アカーリン:はい、ダメ!

ユーリ:え?

アカーリン:その、別に~、とかいうの、ダメ。

ユーリ:そんな言い方してません。

アカーリン:自分の心の奥の欲望に忠実になりなさい。

ユーリ:欲望?

アカーリン:どうなりたいん?

ユーリ:私は・・・

アカーリン:私は?

ユーリ:・・・有名に、なりたい。

アカーリン:もっと大きな声で!

ユーリ:有名に、なりたい。

アカーリン:もっともっと、大きな声で!

ユーリ:誰もが知ってる、有名なひとになりたい!!

アカーリン:・・・よう言うた。それでええんや、それで。


ナレーション:翌朝、ユーリが事務所に行くと・・・


渋谷:もう、ええで。

ユーリ:え?

渋谷:アカーリンさんから、言われた。もう卒業してもええて。

ユーリ:ええ? 私は・・・。

渋谷:表情、変わったよ。

ユーリ:そうかな。

渋谷:優しくなった。笑顔が増えた。いちだんと綺麗になった。

ユーリ:ほんと?

渋谷:ほんと。

ユーリ:うれしい、めっちゃ、うれしい。

渋谷:昔やったら、私が褒めると、こう言ってた。

ユーリ:別に~。

渋谷:そう。

渋谷・ユーリ:あははははは、


ナレーション:そんな二人の笑顔を陰から見つめる、アカーリンの姿がありました。


ユーリ:渋谷さん、

渋谷:なに?

ユーリ:私、ゼッタイ、ビッグになる。世界中のひとが知ってるような、モデルに、なる!

渋谷:よう言うた。やっぱり私が見込んだとおり、あんたは、世界一の欲望者や!!

収録後のワンショット

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