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2018年323日放送 午後1000分~NHK-FM

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番外編『ガラスの靴』

原案:佐藤詩織、尾関梨香、石森虹花

脚本:北阪昌人

★参考:ハラミ、みさき

出演

佐藤詩織、尾関梨香、石森虹花、山寺宏一

あらすじ

バレリーナを夢見るシーデレラは、両親を早くに亡くし、遠い親戚のオゼーキに預けられる。オゼーキとその娘ニジーカにいじめられながらも、話し相手の野良犬ノラと、けなげに暮らしていた。ある日、王子様主催の舞踏会が開かれることになり、オゼーキとニジーカはドレスを着て出かけていった。シーデレラが留守番をしていると、突然、ノラが白い髭をたくわえたおじいさんに姿を変えて…?

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、中世ヨーロッパ、石畳の広がる、とある街。一軒の狭い家では、母親のオゼーキと娘のニジーカが、何やら大騒ぎしています。


ニジーカ:ねえママ、何を着ていったらいいの? 王子さま主催の舞踏会! やっぱり、ライダースジャケット?

オゼーキ:なにいってるの、ニジーカ、この日のために、立派なドレスを買ってあるわよ。ほら!

ニジーカ:わああ! 素敵! もう、ママ、大好き!


ナレーション:とそこへ、ボロボロの服を着た、シーデレラがやってきました。


シーデレラ:お母様、お姉様、お掃除、お洗濯、終わりました。

オゼーキ:ドアの前にゴマがたくさん落ちてるわよ! 早く綺麗にしなさい。

シーデレラ:はい、お母様。

ニジーカ:ったくもう、シーデレラを見てると、テンション、落ちるわ~。あっちいっててよ!

シーデレラ:はい、お姉様。


ナレーション:シーデレラは、両親を早くに亡くし、遠い親戚のオゼーキのもとにもらわれてきたのでした。自分の娘と明らかに差をつけるオゼーキ。それでもシーデレラは、歯を食いしばって頑張りました。彼女の話相手は、野良犬のノラだけです。


シーデレラ:ノラ、ごめんね、今日はこれしかあげられないの、私のパンを、はんぶんこ。

ノラ:(きゅわん)

シーデレラ:養ってくれてるんですもの、贅沢は言えないわよね。

ノラ:(わん)

シーデレラ:ああ、でもなあ、舞踏会、いいなあ・・・。あのね、ノラ、ちょっと見ててね、私、ちっちゃい頃、バレエやってたんだよ。いい? ほら!

シーデレラ:アン・ドゥ・トロワ♪(的なバレエをやっている感じを)

シーデレラ:どう? ノラ、なかなかでしょ? バレリーナになるのが夢だったの。

ノラ:(わん)


ナレーション:シーデレラの可憐な踊りに、野良犬のノラも驚いた様子です。


ノラ:(わんわん)

シーデレラ:ああ、舞踏会で踊れたら、どんなに素敵でしょう・・・。


ナレーション:彼女の願いが、かなうときがくるとは、そのとき、シーデレラはまだ、知りませんでした。


オゼーキ:さあ、ニジーカ、出かけるわよ。

ニジーカ:っていうか、ママまで、ずいぶん着飾ってるけど、

オゼーキ:王子様主催の舞踏会っていうのはだねえ、要するに、あれなのよ、あれ。

ニジーカ:あれ?

オゼーキ:花嫁さがし。

ニジーカ:花嫁さがし?

オゼーキ:王子様が年頃になられたから、いよいよ王女選びをするってこと。

ニジーカ:王女? ええ、私が、王女に? っていうか、なんでママも?

オゼーキ:いいじゃない、あたしだって、わかんないわよ、あんがい。年上が好みかもしれないし。

ニジーカ:えええ?

オゼーキ:確率は高いほうがいいじゃない、ね? ニジーカが選ばれても、私が選ばれても、私たちは、お城の住人になれるってわけ、ね?

ニジーカ:なるほど~ママって、あったまいいね!

オゼーキ:さあ、いくわよ。早く、支度しなさい。

ニジーカ:はい!

オゼーキ:あ、シーデレラ、お留守番、よろしく。

シーデレラ:はい、お母様。


ナレーション:そうして、母オゼーキと、娘ニジーカは、まるで似合わない派手なドレスを着て、出て行ってしまいました。シーデレラが、二人が見えなくなるまで見送っていると、・・・


ノラ:(く~ん)

シーデレラ:どうしたの? ノラ、お腹すいたの?

シーデレラ:え? えええ?


ナレーション:野良犬のノラは、白い髭をたくわえた、おじいさんに姿を変えました。


ノラ:ふぉふぉふぉ、シーデレラ、こんにちは。

シーデレラ:ひえ! っていうか、おじいさん、誰?

ノラ:わしは、ノラじゃよ、野良犬のノラ。

シーデレラ:ええ? ノラって、そんな年取ってたの?

ノラ:ああ、あんたのおかげで、生きのびることができたんじゃあ、ありがとうなあ、いつも、ちょっとしかない自分の食べ物をわしに恵んでくれて・・・。

シーデレラ:ううん、私のほうこそ、いつもノラに助けてもらってた。ノラに話しかけるとね、さみしいこと、辛いことが、スッて消えてなくなったの。お礼を言うのは、私のほう。ありがとう、ノラ。

ノラ:わしもなあ、いつまで生きておれるか、わからん。いつか恩返ししたいと思っておったのじゃが、そのときが来たようじゃあ。

シーデレラ:え? 恩返し?

ノラ:えい!!


ナレーション:おじいさんになったノラが、右手を振り下ろすと、シーデレラの目の前に、美しいドレスと、ガラスの靴が現れました!


シーデレラ:わああ! なんて綺麗なんでしょう!

ノラ:これを身にまとい、舞踏会で踊ればいい。

シーデレラ:いいの? 行ってもいいの?

ノラ:いいとも、ぞんぶんに、踊っておいで。

シーデレラ:ありがとう!! ノラ!!

ノラ:いいかい、シーデレラ、どんなときも、諦めちゃ、ダメだ。幸せっていうのはね、自分でつかみとるもんだからねえ、ははははは、


ナレーション:舞踏会でシーデレラは、踊りました。くるくると回り、とびはね、華麗に宙を舞いました。


シーデレラ:ノラ、ごめんなさいね、ガラスの靴、とっても素敵なんだけど、思うように踊れないの。私ね、昔使っていたトゥシューズを大切に持っていて、それを履いて踊ってるわ。


ナレーション:その圧倒的な踊りは、舞踏会の誰をも魅了しました。


オゼーキ:まあ、なんだか目立ちたがり屋がいるものねえ、

ニジーカ:ママ、あの子、めっちゃシーデレラに似てるんですけど、

オゼーキ:ええ!? まさか。あの子が、あんなドレス、持ってるわけないわ。あんなにうまく踊れるわけないもの。

ニジーカ:そっか、そうだよね。


ナレーション:シーデレラの踊りを見て感動したのは、王子も同じでした。


王子:な、なんて素敵なダンスなんだ・・・。あれはもう、芸術だ! すごい、すごいぞ!


ナレーション:王子は、シーデレラのもとに、歩み寄ると・・・


王子:キミ、名前は?

シーデレラ:シーデレラ。

王子:シーデレラ、君のバレエは、すごいよ。

シーデレラ:ありがとうございます。

王子:ボクはねえ、常日頃から考えていたんだよ、国を豊かにするのは、文化や芸術だと。我が王国にバレエを根付かせるために、力を貸してくれないか?

シーデレラ:私にできることでしたら・・・。


ナレーション:こうして・・・シーデレラの住む家は、すっかり綺麗なバレエのレッスンスタジオになり、全国から生徒が集まってくるようになりました。


オゼーキ:先生、お水をどうぞ。

シーデレラ:はい、ありがとうございます、お母様。

ニジーカ:先生、王子様が、見学にいらっしゃるそうです。

シーデレラ:そうですか、お姉様。


ナレーション:すっかり心を入れ替えたオゼーキとニジーカは、バレエスタジオ運営のために、一生懸命働きました。


オゼーキ:新しいスタジオが必要だねえ、王子様に相談しなきゃねえ、

ニジーカ:っていうか、ママ、めっちゃお化粧してない? もしかしてまだ狙ってるの? 王子様。

オゼーキ:べ、別に・・・。いいじゃない。

シーデレラ:あれ以来・・・ノラには会っていない・・・。でも、あのときもらったガラスの靴は、大切にしまってある。私は、その靴を見るたびに、思い出す。ノラの言葉・・・。

(回想)
ノラ:いいかい、シーデレラ、どんなときも、諦めちゃ、ダメだ。幸せっていうのはね、自分でつかみとるもんだからねえ、ははははは、

収録後のワンショット

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