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2017年106日放送 午後1000分~NHK-FM

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『空き缶、ミントくん!』

原案:中井りか、加藤美南、菅原りこ

脚本:北阪昌人

★参考:サル顔、しずか

出演

中井りか、加藤美南、菅原りこ、山寺宏一

あらすじ

激しさを増すバトントワリング部の練習。失敗続きの自分にいらだっていた加藤美南は、学校からの帰り道、何気なく道に転がっていた空き缶を蹴った。すると、「痛っ!!」という言葉とともに、空き缶が目の前まで転がってきた。缶の中から出てきたのは水色の丸い、まんじゅうのようなお化け。ミントと名乗るその謎の生き物と出会った加藤は…。

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、新潟市にある、NGT女子高校。バトントワリング部の練習は、激しさを増していました。


コーチ:はい、ダメよ~あなたたち、ぜっんぜん、ダメダメ。そんなんじゃ、県大会に、行けません。バトンを空中に投げる、エアリアル! バトンを手で持たずに身体を転がすロール! バトンを手や指で回転させるコンタクトマテリアル! この三つを丁寧にやりましょう! 加藤! もっと真剣にやりなさい! ペアを組む、中井の足をひっぱらないでちょうだい!

加藤:別に・・・足をひっぱりたくてひっぱってるわけじゃない。確かに、りかちゃんが、完璧だった。それなのに・・・私は・・・。

加藤:ああああ! また落とした。

中井:大丈夫だよ、みなみちゃん、気にしないで。伸び伸びやろう!

加藤:ごめんね、りかちゃん。

中井:いいって、私ね、みなみちゃんにあこがれて、バトントワリング始めたんだよ。自信もって。

加藤:でもなあ・・・私、本番に弱くて・・・。うまくできない自分にいらだっていた。学校からの帰り道・・・川沿いの道に、空き缶があったので・・・私は、

加藤:えい!

ミント:痛っ!!

加藤:ええ?

加藤:蹴った空き缶が、目の前に転がり・・・。

ミント:何すんだよ、いきなり蹴りやがって。

加藤:ええええ? って、あなた、なに?

ミント:あ、ボク? ボクは、ミント。

加藤:うわ、なんか、でっかくなった。

加藤:水色の丸い、まんじゅうのようなお化けがいた。

ミント:空き缶があったら、蹴とばしていいってもんでもないんだぜ。中に何が入ってるか、わかんねえからさ。ああ、ほら、ここ見てよ、こぶ、できただろ! ここ、あ、そっちじゃなく、ここだよ、ここ。

加藤:そうして、私はミントくんに、出会った!


ナレーション:ここは、川沿いの公園。芝生に座って話しているのは、NGT女子高校、バトントワリング部の加藤美南と、丸いおまんじゅうのような謎の物体、ミントくん。


ミント:で、そのバトンなんとかっていうのは、面白いの?

加藤:面白い! バトンを投げて、つかんだとき、なんだか人生をつかんだみたいに思えるの。あ、アクロバットも、できるよ。

ミント:アクロバット? あ、ああ、アクロでできたバットな、知ってる知ってる。

加藤:ゼッタイ、知らないよね?

ミント:でもさあ、うまくできないから空き缶蹴るっていうのは、どうも、よくないなあ。

加藤:ごめんなさい、そうだよね。何かにあたるって、いっちばん、よくないよね。

ミント:いやまあ、おいらもさあ、この間、ルンルンルンって歩いてたらハチに追いかけまわされてさあ、そんときは、なんじゃおめえ、やんのか、こら!って空き缶蹴ったりしたけどなあ。

加藤:ハチには文句言わないんだ。

ミント:だって、ハチに刺されたら、痛いからね。

加藤:そこ、フツウだな。

ミント:いっそさあ、やめちゃったら、バトン。

加藤:やだ。

ミント:だったら、文句言うなよ。

加藤:でも、りかちゃんに迷惑かけるのもなあ、

ミント:だからやめちゃえってば

加藤:やめるのはイヤなの!

ミント:メンドクセエ。女子って、マジ、メンドクセエ。

加藤:そういうこと言ってると、モテないよ。

ミント:いいもんねえ、別にいいもんねえ。おいらは、どんどん大きくなって、いつか、新潟県くらいの大きさになってやるんだ。

加藤:なにそれ、なにが目的?


ナレーション:それ以来、ミントくんは、加藤美南の秘密の特訓につきあってくれるようになりました。


ミント:はい、タイミングが遅い! もっと速く!

加藤:はい!

ミント:バトンを投げる角度が悪いよ、

加藤:はい!

ミント:そこで、素早く動く!

加藤:はい!

中井:ねえ、みなみちゃん、体、傷だらけだけど、大丈夫?

加藤:大丈夫。少しでも、うまくなりたいから、バトントワリング。

中井:すごく、うまくなったと思う。誰か、コーチについてるの?

加藤:ま、まあね。

中井:今度、一緒に、そのひとの前でやってみたいな、二人で。

加藤:いいけど、ヒクかも。

中井:え?

加藤:ちょっと変わってるけど、驚かないでね。

中井:うん、わかった。


ナレーション:さて、いつもの川沿いの公園にやってきた中井りか、加藤美南を待っていたのは・・・。


ミント:うっす、ミントくんでぇす!

中井:み、みんと、くん? これって、ぬいぐるみ?

ミント:ぬいぐるみじゃねえよ!

中井:っていきなりキレた!

ミント:すみません。

中井:いきなりあやまった。

ミント:ふだんは、その、空き缶の中で生活、してるんですけどぉ、その、たまにですね、蹴るやつが、いるんですよ、むしゃくしゃすることが、多いんですねえ、人間社会。いいんですよ、別にねえ、蹴ってもらっても、でもねえ、ほら、こぶ、できちゃうわけでしょ、こぶ。痛いんだよなあ、だからね、なんでむしゃくしゃするのか、原因をですね、あきらかにして、そこを改善するっていうんですかねえ、

中井:ねえ、みなみちゃん、

加藤:なに?

中井:なんか、可愛いね、この子。

加藤:でしょ。

中井:この子が、みなみちゃんのコーチ?

加藤:そう。

ミント:まあねえ、バトンなんとかっていうのはね、つまりはタイミングでしょ? 愛でしょ? それはねえ、いいって思う時にキャッチしないとねえ、おいらはねえ、ハヤシライスをつくったりするんだけど、直接、ルウを味見、するからねえ。あれ? なんの話だっけ?


ナレーション:こうして、ミントくんに見守られながら、中井りかと加藤美南は特訓を続けました。


ミント:はい、そこ! もっと優しく、そう、ぬいぐるみをなでるように!

中井:はい!

ミント:はい、そこ! バトンをさくらんぼだと思って!

加藤:はい!


ナレーション:そうして、いよいよ試合の日がやってきました。


ミント:おいらが教えられることは、全部、教えてきた。あとは、自信だ。自信を持て!

加藤:敵は、自分にあり! だよね?

ミント:そうだ!

中井:思い切り、闘ってきます!

ミント:いってこい!!

加藤:私は、今まででサイコーのパフォーマンスができた! ありがとう、ミントくん、あなたのおかげだよ。


ナレーション:そのころ、ミントくんは・・・。


ミント:さてと、また体をちっちゃくして、空き缶の中に、入るかなあ。今度は、どんなひとに蹴られるんだろう・・・。怖いような、ワクワクするような・・・。

ミント:痛っ!! こぶできたぁ、ここ、こぶ、できたぁ!!

収録後のワンショット

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