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2017年922日放送 午後1000分~NHK-FM

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『純情、よろしく!』

原案:荻野由佳、西潟茉莉奈、本間日陽

脚本:北阪昌人

★参考:カンガルー美雪、ねっくん

出演

本間日陽、荻野由佳、西潟茉莉奈、山寺宏一

あらすじ

NGT学園に通う本間日陽と荻野由佳。本間には、親友である荻野に言えない秘密があった。それは荻野が片思いしている相手、同じクラスの西潟マリオに恋をしているということ。西潟の前では、どうしても素直に話せず、バレエのレッスンにも身が入らない本間。そんなある日、西潟から転校することが告げられる。泣きじゃくる荻野の背中をさすりながら本間は…。

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、新潟市にある、NGT学園。同じクラスの、本間日陽と、荻野由佳が、話しています。


荻野:ねえねえ、ひなた、今日、帰りにせんべいソフト食べに行く?

本間:それが・・・今日は早く帰んなきゃなんだよね。

荻野:あ、そっか。バレエ教室かあ。

本間:そうなの。あ、ゆか、

荻野:なに?

本間:ダンス部の副部長になったんでしょ? おめでとう!

荻野:ありがとう! でも、めっちゃびっくりだよね、なんで私が? って感じだけど。

本間:ゆかは、選ばれて当然だよ、だって、ものすごく努力してる、誰よりもレッスン、ちゃんとやってるってみんな言ってるもん。

荻野:私、不器用だし、覚えも悪いんだけど。ただね、負けず嫌いなんだ。

本間:負けず嫌いって、大事だよね。

荻野:ありがとう、ひなた。ひなたみたいな親友がいて、よかった。

本間:私も、ゆかがいてくれて、学校、すっごく楽しい。

本間:私、本間日陽には、荻野由佳に言えない、秘密があった。それは・・・。

西潟:うっす、なに話してたんだよ? どーせ、あれだろ? 甘いもんを食う話だろ?

荻野:ひどーい、西潟君、そんなことないよね、ひなた。

本間:ん? あ、うん。

西潟:ほんとか・・・ったくもう女子の会話は、だいたい食うことばっかだからさあ。

本間:同じクラスの西潟マリオ君。親友のゆかは、彼のことが大好き・・・。そして私の秘密は・・・私も、西潟君が大好きだということ。この気持ち・・・誰にも、言えない。この純情、どこまで続くのか・・・。


ナレーション:NGT学園から下校する生徒たちが、次々と出てきます。自転車で、飛び出してきたのは、本間日陽。


本間:ああ、急がなきゃ、バレエのレルヒ山寺先生、怖いんだよなあ。ん? あ、あああ? え?


ナレーション:ゆかの自転車の調子がおかしいようです。


本間:あちゃあ・・・チェーン、はずれちゃってるよ・・・。

西潟:よう、本間、どうした?

本間:に、西潟君・・・。

本間:自転車に乗った西潟君がいた。

西潟:なんだ、チェーンはずれたのか、ちょっと待ってろ。えっと・・・これがだな、こうやって、ええっと、ほれ、できた。

本間:ありがと。

西潟:これから、あれか、バレエ教室か。

本間:うん。

西潟:やっぱあれか、バレリーナになりたいのか?

本間:関係ないでしょ。

西潟:まあな。

本間:手、

西潟:ん?

本間:汚れちゃったね。

西潟:いいって、これくらい。

本間:これ、使って、

西潟:いいよ、こんな綺麗なハンカチ。

本間:いいから、じゃあ、ありがと。私、急ぐから。

西潟:おい、本間! 本間!

本間:私、バカみたい・・・西潟君の前では、なんだか優しく話せない。大好きなのに・・・もっと話していたいのに・・・。

レルヒ山寺:は~い、今日も、レッスンいきますわよぉ! はい、アンドゥウトロウ、はい、アンドゥトロウ! はい、ひなたさん、もっと真剣に!

本間:はい、レルヒ先生、すみません!

レルヒ山寺:もっと、心をこめて、アンドゥトロウ、はい、その調子! バレエはねえ、愛なの、心なの、純情なのぉ!

本間:ダメだ・・・西潟君のことを考えて、レッスンに身が入らない・・・。


ナレーション:翌日の昼休み、NGT学園の屋上でサンドイッチを食べる、ゆかとひなたの姿がありました。


荻野:西潟君って、カッコいいよね。ね、そう思わない? ひなた。

本間:そ、そっかなあ、なんかガキっぽくない?

荻野:そこが可愛いんじゃない。英語の発音もめっちゃいいしね。

本間:まああれくらい、フツウじゃない?

荻野:左利きなのも、ツボなんだよね。

本間:ゆかは、ほんとに好きなんだね、西潟君のこと。

荻野:もう見てるだけで、胸が苦しくなっちゃう。って、やだ、噂をしてたら、来る、西潟君がこっちに来る!

西潟:よう、いつもおそろいで。

荻野:一緒に、どう? サンドイッチ。

西潟:あ、わりぃな、オレ、もう弁当食っちまった。ああ、そうそう、おまえらには言っておこうと思ってさ。

荻野:なに?

西潟:オレさ、転校することになった。急なんだけど、親父の仕事の都合で。

荻野:て、転校?

本間:ど、どこに?

西潟:サンフランシスコ。

荻野・本間:えええ? 海外?

西潟:おまえらと話してると楽しかったぜ。来週には行っちまうからさ。じゃあな。まあ元気で。


ナレーション:そう言い放つと、西潟マリオは去っていきました。


荻野:・・・・えええええん、ええええん西潟君が、西潟君が、いなくなっちゃう・・・。

本間:泣きじゃくるゆかの背中をさすりながら、私も泣きたい気分だった。あの笑顔を、もう見られなくなってしまう・・・。

本間:西潟、くん・・・。

本間:その日、学校が終わって、自転車を押しながら、校門を出ようとしたら、

西潟:よう、本間。

本間:西潟君、

西潟:あ、これ、

本間:え?

西潟:この間のハンカチ、いちおう洗った。っていうか、洗ったのはおふくろ、だけど。まいったよ、誰のハンカチなの? とか、しつこく聞かれてさあ。

本間:そ、そう。

西潟:あ、あのさ、本間、

本間:なに?

西潟:いや、おまえはさ、オレのことなんか、好きじゃないっていうか、むしろ嫌ってんのは、わかってたけどさ、

本間:え?

西潟:オレはさ、その、いつも荻野としゃべってるおまえを見てたっていうかさ、

本間:ええ?

西潟:ずっと、好きだった、本間のこと。ごめん。最後に、キチンと言ってけじめつけたいって、思ってさ。

本間:西潟君・・・。

西潟:あ、わりぃ、レッスンだろ? がんばれよな。ずっと、応援してるから。じゃあな。

本間:西潟君・・・。

本間:去っていく西潟君の背中が、涙でにじんで見えた。

本間:その日、レッスンを初めてさぼった。私は、海にやってきた・・・。

本間:好きだったぞ!!! 大好きだったぞおお!! 西潟! 西潟マリオ!! 私は、あなたのことが、大好きでした!!

本間:私の声を波音がかき消した。私の思いは・・・波間に、吸い込まれていった。

収録後のワンショット

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