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2017年728日放送 午後1000分~NHK-FM

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『フルーツショップSKE!』

原案:小畑優奈、北野瑠華、竹内彩姫

脚本:北阪昌人

★参考:コミ―、ハナ

出演

小畑優奈、北野瑠華、竹内彩姫、山寺宏一

あらすじ

名古屋の栄の路地にある果物屋さん「フルーツショップSKE」。借金によって今この店の主人は、店を手放さなければならないほど追いつめられていた。主人の娘である優奈、瑠華、彩姫の3人は、借金取りに頼み、店に行列をつくることを条件に一週間待ってもらうことに。3人での話し合いの結果、世界にひとつしかないミックスジュースをつくることになったのだが…。果たして、3人は店を救うことができるのだろうか…!?

人物相関図

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物語が読める ♪


ナレーション:ここは、名古屋の栄の路地にある、果物屋さん、『フルーツショップSKE』。ちなみに、SKEとは、新鮮で、果肉たっぷり、栄養満点!ということらしい。今、この店の主が、店の奥の居間に、三人の娘を呼びました。


お父さん:優奈、

優奈:なんですか? お父さん、

お父さん:瑠華、

瑠華:はい、お父さん、どうかしましたか?

お父さん:彩姫、

彩姫:お父さん、顔色がよくないですね。

お父さん:おまえたちには、黙っていたが、実は、この店を手放さなくてはならいんだ。

三人:えええ?

お父さん:時代の流れに合わせることもせず、頑固に果物屋をやってきたが、いよいよ年貢の納めどきだ。

優奈:年貢?

瑠華:うちは、年貢を納めていたの?

彩姫:っていうか、年貢ってなに?

お父さん:いや、年貢は納めていない。たとえだよ、たとえ。

優奈:たとえだって、

瑠華:たとえか。

彩姫:じゃあ、もうお店はやらないの?

お父さん:すまん・・・。ああ、借金の取り立てが、来た!

借金取り:おうおう、みんなおそろいで。いよいよ、この店、手放す気になったんかい? 仕方ないよなあ、努力してこなかったんだから、売れるための努力をよお!

瑠華:そんなことない! お父さんは、私たちを育てるために、朝早くから、夜遅くまで、一生懸命、働いてくれた!

借金取り:おじょうちゃん、残念ながらねえ、一生懸命ってのはな、結果を出さなきゃ、な~んの意味もないわけ、わかるか? あはははははは!

優奈:あと一週間、待ってください。

借金取り:は?

優奈:一週間で、お店に行列をつくってみせます!

借金取り:ほう・・・勇ましいじゃねぇか、いいだろう、おいらにもな、情ってもんがあるからな、待ちましょう、一週間。でもねえ、もし結果を出せなかったら、そのときは、ジ・エンド。終わりだぜ。へへへへへ。


ナレーション:借金取りが、帰ったあと、彩姫は、優奈に聞きました。


彩姫:ねえ、優奈、行列ができる、アイデア、あるの?

優奈:ない! ありません!

瑠華:速っ!

彩姫:っていうか、きっぱり。

優奈:でもね、言った以上は、がんばろう! 私たち、三人で!


ナレーション:果たして、このお店、続けることはできるのでしょうか?


ナレーション:フルーツショップSKEの店先で優奈、瑠華、彩姫の三人の娘が、話しています。


瑠華:どうやって、このお店のヒット商品を出すか、なんだけど。

優奈:私に、考えがある。

彩姫:なになに?

優奈:センターをつくるの。

瑠華・彩姫:センター?

優奈:お店の真ん中に、なんか、他のお店にないものを、置くの。

瑠華:たとえば?

優奈:珍しい果物。

彩姫:なに? 珍しい果物って?

優奈:キワノ、グラナディラ、フェイジョア。

瑠華:まったくわからない。

優奈:フェイジョアはねえ、フトモモ科なんだよぉ~。

彩姫:なんだよぉ~とか言われても、わかんないし。

優奈:ただ、仕入れるのが大変で・・・。

彩姫:実は、ここだけの話、私、彩姫は、フルーツが、苦手だった・・・。でもこんなこと、お姉ちゃんの瑠華や、妹の優奈に、言えるわけない・・・。

優奈:私、末っ子の優奈は、フルーツが大好き! いちばん好きなのは、チェリーだ。でも、もちろん、バナナも大好き。

瑠華:私、長女の瑠華は、ぶっちゃけ、果物より、タコ焼きが好き。自分の家が、タコ焼き屋さんだったらって、思ってた。でも、それを言ってしまったときの、お父さんの哀しい顔を覚えている。

優奈:ジュースを出したら、どうかな?

瑠華・彩姫:ジュース?

優奈:フルーツショップがその場で出すジュース、美味しそうじゃない?

瑠華:まあ、確かにねえ。

彩姫:でも、なんか特徴がないと、わざわざ、来てくれないかも。

優奈:世界にひとつしかない、ミックスジュースを作ればいいんじゃないかな?

瑠華:なるほど。


ナレーション:三人は、さっそく、ジューサーを買いにいき、夜通し、ミックスジュースづくりを始めました。


優奈:そっちのバナナとって、バナナは鉄板だから、なんにでも合うから!

瑠華:フルーツだけじゃなく、ドーナツも入れてみたらどうかな?

彩姫:愛知と言えば、やっぱ、お味噌じゃない?

優奈:それも混ぜて!

瑠華:そっちも入れて!

彩姫:これも入れちゃう!

優奈:できたね、

瑠華:できた!

彩姫:究極のミックスジュース!

優奈:まずは、お父さんに飲んでもらおう。

瑠華:そうだね。

彩姫:お父さん! ねえ、お父さん!

お父さん:う~ん、なんだ、こんな夜中に・・・てか、もう朝方じゃないか! おまえたち、いったい、なにをしていたんだ?

優奈:お店の特製、ミックスジュースをつくったの?

瑠華:飲んで!

彩姫:はい、これ。一気に飲んでね。

お父さん:なんか・・・色が・・・汚いねえ、ドス黒い。しかも・・・うわ、なんだ、この匂い。おまえたちは、飲んだのか?

優奈:ううん、まずは、お父さんにって思って。

お父さん:そうか・・・。じゃ、じゃあ遠慮なく、っていうか、若干、体が拒否反応を示しているが・・・。

優奈:飲んで。

お父さん:そ、そうだな、では、(飲んで)うわ! うわ!

瑠華:どう?

お父さん:まずっ! っていうか、まずっ!

彩姫:やっぱりなあ・・・瑠華姉ちゃんの、ドーナツがやばかったね。

瑠華:いやいや、彩姫に言われたくないんですけど。あんたのお味噌でしょ。

お父さん:残念ながら、これでは店はつぶれる・・・。

優奈:どうしたら・・・いいんだろう・・・。

優奈:私の好きな言葉は、「甘えるな!自分が動かない限り、そんないつかは絶対に来ない!」 ただ、黙って待っているわけにもいかない。私は、美味しい果物を探すため、街に出た。

優奈:商店街を歩く、デパートのフルーツ売り場を見る、そう、この世には、瑞々(みずみず)しいフルーツがたくさんある!

優奈:そうだ! 美味しいフルーツなら、わざわざ混ぜることはないんだね、大事なのは、心からお客さんに喜んでもらいたいって思えるかだよね!

優奈:と、そのとき・・・。

マンゴー売り:ええ、マンゴー、え、マンゴー。美味しいマンゴーはいらんかえ~。きみたち、キウイ? パパイヤ? いいえ、マンゴーだね。ええ、マンゴー、え、マンゴー!

優奈:屋台でマンゴーを売る、おじさん・・・。

マンゴー売り:美味しいマンゴーいらないかい?

優奈:おじさん、マンゴー、くださいな。

マンゴー売り:あいよ、っていうか、あれ? お嬢ちゃん、栄の果物屋さんじゃねえのか。

優奈:ちょうど、切らしていて、

マンゴー売り:そうかい。じゃあ、おまけして、ほれ、もってけ泥棒!

優奈:ありがとう。

優奈:ひとくち、かじってみた。

優奈:美味しい・・・。

マンゴー売り:あったりめえよ、あのなあ、マンゴーってのはな、聖なる樹、神聖な植物なんだよぉ、これ食べれば、元気百倍だよぉ、ははははは、

優奈:もしかして・・・意外に、マンゴー?

瑠華・彩姫:マンゴー?

優奈:さっそく家に帰って、二人に話した。

優奈:そう、うちの店のセンターは、マンゴーでいこう!

優奈:お父さん、飲んで、

お父さん:お、おお、

優奈:怖がらなくて大丈夫。マンゴーだけだから。

お父さん:おお、そうか・・・(飲んで)、う、う、う、うまい!! これだ、このジュースだぁ!!


ナレーション:フルーツショップSKEには、マンゴージュースの噂を聞きつけたひとが押し寄せ・・・。


借金取り:す、すげえじゃねえか、なんて長ぇ行列だ・・・。

優奈:よかったね、

彩姫:フルーツ苦手な私でも、これは、意外に大丈夫!

瑠華:っていうか、彩姫、あんたフルーツ苦手だったの?

優奈:シンプルが、いちばんだね。余計なものを混ぜ合わせると、ろくなことはない!


ナレーション:こうして、フルーツショップSKEは、息を吹き返したのです!


優奈:フルーツ、大好き!

瑠華:その中でも、

彩姫:意外に、

優奈:マンゴー!

収録後のワンショット

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