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2017年714日放送 午後1000分~NHK-FM

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『マンゴージュースはいかが?』

原案:大場美奈、古畑奈和、後藤楽々

脚本:北阪昌人

★参考:ミッシェル、ぐるぐる

出演

大場美奈、古畑奈和、後藤楽々、山寺宏一

あらすじ

名古屋の栄の路地にある、ジューススタンド「SKE」。台湾へマンゴーの買い付けにいった両親の代わりに店に立つ古畑ナオと、妹のララ。ナオは店の常連でもある同級生の大場美奈男にひそかな恋心を抱いていた。一方、ララは、美奈男がナオのことを好きなのではないかと怪しむ。ある夜、近所の公園で、ナオはサッカーの練習をしている美奈男と会う。偶然かと思いきや、実は美奈男は、ナオのことを待っていたと言う。高鳴る鼓動、恋の行方は…!?

人物相関図

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ナレーション:名古屋の栄の路地にある、ジューススタンド。『しんせん!けんこう!エネルギッシュ!』なお店、略して『SKE』。店に立っているのは古畑ナオと、妹のララです。


ララ:お姉ちゃん、二人だけで大丈夫かなあ。

ナオ:夏休みの間、二人で頑張るしかないの。ララ、よろしくね!

ナオ:お父さんとお母さんは、新鮮なマンゴーの買い付けに、台湾のポンフー諸島に行ってしまった。

お父さん:ナオにララ、ほんとうに、おまえたちだけで大丈夫なのか?

ナオ:大丈夫! まかせてよ。それより、たまには夫婦水入らずで、ゆっくりしてきなって。

お父さん:おお、そうかい、ナオがそこまで言うなら、お言葉に甘えるか。しかし、あれだなあ、私は、本当にいい娘を持ったもんだなー。

ナオ:ってお父さん、泣かないでよ。

ナオ:ずっと働きづめだったお母さんに休んでほしかった。それは本当だ。でも、実は、もうひとつ、理由があった。それは、

ララ:いらっしゃいませ。

美奈男:うっす。

ララ:いつもの、マンゴージュースでいいですか?

美奈男:いいですか? じゃなくってよ、よろしいですか?じゃねえのか? おい、古畑、妹にしっかり教えておけよ、お客様への口のきき方。

ナオ:この偉そうなオラオラキャラは、私の同級生の大場美奈男くん。サッカー部の練習の帰り、いつもウチのジューススタンドに寄ってくれる。

美奈男:あれ? 今日は、二人だけかよ。

ナオ:今日から、私とララでお店番やるのよ、なんか文句ある?

美奈男:おいおい、仮にもオレ、客、なんすけど。

ナオ:はい、マンゴージュース!

美奈男:おお。

ナオ:実は、私、この大場美奈男に恋をしていた。夏休み中に、告白したい、そう思っていたのだ。

美奈男:く~! うめえなあ、やっぱ、SKEのマンゴージュースは!


ナレーション:ジューススタンドSKEでは、ナオとララが、一日の営業を終え、後片付けをしています。


ララ:ねえ、お姉ちゃん、

ナオ:なに?

ララ:もしかしてさ、

ナオ:なに?

ララ:大場くんって、お姉ちゃんのこと、好きなんじゃないかな?

ナオ:な、なに、いきなり。

ララ:だってさ、なんでこんなしょぼいウチのお店に通ってくれてると思う?

ナオ:しょぼいとか言わない。

ララ:ほぼ毎日だよね。

ナオ:まあね。ほら、好きなんじゃない、マンゴージュースが。マンゴーは、栄養満点だし、美味しいし、部活で疲れた体を癒してくれる。

ララ:いや、違うね。私ね、こう見えて、男子の女子を見る視線には、めっちゃ敏感なんだよね。

ナオ:まさか・・・美奈男くんは、私のことなんか・・・。

ララ:あれ? お姉ちゃん、赤くなった?

ナオ:バカ! なってないし。っていうか、美奈男なんて、こっちからお断りなんですけどぉ。毒舌なひと、嫌いなの。この間もね、同じクラスの亜美菜のこと、

美奈男:おまえ、コテコテの中華丼みたいな顔してんな。ははは。

ナオ:って言ったり、小林香菜のことは、

美奈男:おまえは、あれだな、片栗粉が入りすぎた酢豚みたいだ、へへへへ。

ナオ:ってひどくない? もう信じらんない。

ララ:とかなんとか言っちゃって、ほんとはお姉ちゃんも好きだったりして。

ナオ:バ、バカいってんじゃないわよ。ナイナイ、ありえない。ラ、ララのほうこそ、どうなのよ、あんがい、あんたも、

ララ:ナイナイ、私はね、卓球部の平野くんが、好きなんだよね。カッコいいし、強いし。

ナオ:ある夜、私は、いつものように近所の公園に行った。趣味のサックスの練習をするためだ。

ナオ:え?

ナオ:コンクリートの壁に向かってサッカーボールを蹴っている美奈男くんがいた。

美奈男:よう。

ナオ:どうも。何してるの?

美奈男:なにって、見てのとおり、練習だよ。サッカーの。

ナオ:そっか。練習しないとね、運動オンチだからね。

美奈男:おい! そういう言い方ねえだろ、これでもけっこう傷ついてんだぜ。万年補欠でさ。

ナオ:ダッサイ!

美奈男:ほんと、優しさのかけらもねえよな、古畑は。

ナオ:悪かったわね。でも、あんたに言われたくないわよ。

美奈男:あ、あのさ、喧嘩するためにここに来たんじゃねえんだ。

ナオ:え? なに?

美奈男:ほんと言うとさ、今夜は、おまえを待ってたんだ。

ナオ:え? 私を・・・待ってた?

ナオ:ええええ? ど、どうしよう、心臓がドキドキしてくる。え? え? まさか、まさか、こ、こ、告白?

美奈男:おまえんちのマンゴージュースがうまいのは、事実だ。ほんと、あれ飲むと、マジ、元気出る。でもさ、ほんというと、おまえんちに通ってたのは、他に理由があったんだ。

ナオ:妹、ララの言葉がよみがえる。

ララ:大場くんって、お姉ちゃんのこと、好きなんじゃないかな?

ナオ:ええ?マジ? マジで? 私の思いが・・・かなうの? かなっちゃうの?

美奈男:古畑、

ナオ:ま、待って、ねえ、美奈男くん、それ言ったら、もう後戻り、できないんだよ?

美奈男:ああ、知ってるさ。でもさ、オレ、決めたんだ。この夏休みにコクるって。

ナオ:・・・わかった。美奈男くんがそこまで言うなら、聞くわ。

美奈男:ああ。恥ずかしいけど、思い切って言うぜ。オレ、大場美奈男は・・・

ナオ:大場、美奈男は?

美奈男:ララちゃんが、好きだ。

ナオ:え????

美奈男:おまえの妹のララちゃんに恋してる。

ナオ:え!? あ、ごめん、聞き間違いかな、もう一回、言ってみて。

美奈男:オレは・・・ララちゃんが好きだ! めっちゃ好きだ!!!

ナオ:そ、そう・・・妹のララが・・・。

美奈男:ララちゃんに会いたくて、ずっと通ったんだよ、おまえの店。なあ、お願いだ。聞いてもらえないかな、オレのこと、その、どう思ってるか。

ナオ:そんなの・・・。

美奈男:え?

ナオ:そんなの、自分で聞けよ! このオオバカヤロウ!

美奈男:えええ?

ナオ:さよなら!

美奈男:って、おい、古畑! おい、どこ行くんだよ! おい!

ナオ:見慣れた街の風景が、涙でにじんで見えた。バカみたい・・・私、バカみたい・・・。

ララ:おかえり、お姉ちゃん、早かったね、サックスの練習、もう終わったの? って、目、真っ赤だけど、なんかあった?

ナオ:・・・別に・・・なんでもない。

ララ:ねえ、さっき、わらびもち買ってきたんだけど、一緒に食べる?

ナオ:いらない。

ララ:お姉ちゃん?

ナオ:寝る、私は、もう寝る!

ララ:お姉ちゃん?

ナオ:私の恋は、あっけなく、散った・・・。

ララ:お姉ちゃん? ちょっといい?

ナオ:なに?

ララ:ん? 大丈夫?

ナオ:うん、大丈夫。あのね、ララ、

ララ:なに?

ナオ:美奈男くん、私じゃなくて、ララのことが好きだってさ。

ララ:・・・そっか。でも、安心して。私は卓球部の平野くん以外、目に入らないから。

ナオ:・・・ララ、私、ふられちゃった。

ララ:ねえ、お姉ちゃん、これ、飲んで。

ナオ:え?

ララ:私がつくった、マンゴージュース。ドア、開けて。

ララ:飲んで。

ナオ:ララがつくったマンゴージュースは・・・。

ララ:どう?

ナオ:なんだか・・・甘酸っぱい。

収録後のワンショット

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